小沢一郎代表は9日夕、新潟市内で会見を行った。新潟県1区選出で新潟県連代表の西村ちなみ衆議院議員も同席した。
地方の疲弊や都市との格差に関して、視察を通じてどう感じたかとの問いには、「東京を中心とした大都会と、地方との格差が非常に大きくなって、地方が疲弊しているということは今日の皆さんの口からも聞いた」と語り、それは全国で聞かれる異口同音の切実な訴えでもあるとの認識を示した。同時に、これは自民党政権、特に小泉・竹中政治のなかで市場主義、自由競争、効率万能主義が貫かれ、弱者や、生産性の低い第一次産業、地方などが切り捨てられてきた結果であると指摘した。
そのうえで「私どもは官僚によるコントロール、その上に乗っかった自公政権という、この政治のしくみ、統治のしくみを根本的に変え、地方の自立、地方の自治、地方分権を国の制度としてつくりあげる」と小沢代表は表明。「それが地方再生の最大の課題である」と述べ、官僚のコントロールを残したまま何をやっても地方再生は図れないとした。
農業再生のあり方については、「地方の再生、農村地域社会の再生は国家の統治そのものを変えなくてはいけない」として、統治機構そのものの改編が必要だとした。それを大前提とし、それと農業政策とが相まって、初めて地域再生は図られるとも説明した。
農業政策については、民主党が提出した「農業者戸別所得補償法案」が、衆議院本会議で自公によって否決されたことにふれ、「非常に残念」と語ったうえで、日本の食料自給率は39%にすぎないことを明らかにし、「先進国でこんなに自給率が低いのは日本だけ」と指摘。「そういう意味から言っても、日本が今までやってきて、現在も継続している農業政策のやり方はまったく間違いだと思う」と、自民党農政の在り方そのものを否定した。
そのうえで小沢代表は、「日本の全耕地を活用して、米以外の大豆や小麦などの主要穀物の生産量をあげればそれだけで、少なくともドイツ並みの90%前後の生産量は十分に確保できると考えている」と説明し、民主党が主張する農業者戸別所得補償制度を導入しながら、適地適産で自給率向上をはかっていくことをぜひ実現したいと強調した。
沖縄県議選の勝利をどう受け止めるかとの記者団の問いには、「これはやはり地方の人たちの現在の政権、政治行政のやり方に対する非常な不信と反発が底流にあると思っている」と述べた。
また、問責決議案の持つ意味については、「問責は内閣不信任案と同じ。ただ、制度的に内閣不信任案は衆議院にしか認められていないだけ」と語り、衆議院は2年半以上も前に小泉劇場という異常な状況のなかで与えられた議席に過ぎないが、参議院は昨年7月という直近の国民の審判の結果によって与えられた議席だとして、「重みと違いがある」と指摘。「もし可決されるとすれば、内閣不信任案の可決と変わりがない。少なくとも一院においては内閣は不信任されたということになる」と語った。
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