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2008/06/11
米粉利用の積極的推進について
民 主 党

 世界的な食料需給のひっ迫を背景とした穀物価格の高騰により、アフリカ等開発途上国では、ヒトが生きていくために絶対的に必要な「食料」を確保することが困難となり、市民による暴動・抗議行動が多発するなど、世界食糧危機が俄に現実のものとなってきている。また、我が国においても、小麦価格の高騰によりパン・麺等小麦粉製品の価格が上昇し、賃金が伸び悩む中で、一般家庭にもその影響が及びつつある。

 食料をめぐる世界的な情勢の変化は、今後の人口増加、中国・インド等の経済発展及びバイオ燃料向け等による穀物需要の増大、地球規模の気候変動による食料生産への影響等にかんがみれば、長期的かつ構造的なものと認識する必要がある。その上で、国民に対する食料の安定供給を図るための政策を講じていくべきである。

 今こそアジア・モンスーン地帯に属する我が国の気候に最も適した、唯一完全自給が可能な作物である米の重要性を再認識し、その有効活用を図る方向へと転換を図らなければならない。その鍵となるのは「米粉」である。我が国は小麦の約9割を輸入に依存しており、これを米粉に代替することができれば食料自給率を大幅に向上させることができる。

 民主党は、食糧援助向けを含めた米粉利用の推進に向け、以下の点について、立法措置を含めた支援策等の検討を進めるものとする。これにより、米の生産装置である水田が持つ機能をフルに活用し、我が国の食料安全保障、食料自給力を確保する。

一.生産段階
・米粉原料用米穀の確保については、転作田等における計画的な生産・流通を図るほか、政府備蓄米等の活用についても検討する。
・小麦粉等を使用している実需者の意向を踏まえた安価な原料米穀の実現を図るとともに、農業者の再生産を保障するため、農業者戸別所得補償制度等を活用し、主食用米と同等の収益を確保する。

二.製造・流通段階
・加工適性に優れた小麦粉並みの微粉末の低コスト製造技術・機械の開発を支援する。
・地産地消の推進及び6次産業化の実現の観点から、地域の製粉工場における米粉製造設備・機械の普及・導入への支援等産地と実需者との連携を促進するための環境を整備する。
・既に広がりつつある米粉を使用したパン、麺、菓子製品等の改良に加え、米粉を利用した新たな商品開発を支援する。

三.消費段階
・米粉製品の普及・定着に向け、国民に対して、米粉利用製品の優位性(国産原料としての安全性、食料自給率向上)についての広報活動を積極的に行う。
・米粉による食糧援助の可能性について検討し、実現を図る。

以 上
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PDF 米粉利用の現状と推進方向について
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