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2008/06/20
通院移送費問題局長通知の完全撤回を求める(談話)
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民主党 『次の内閣』
ネクスト厚生労働大臣 山田正彦

 厚生労働省社会・援護局保護課長は、さる6月10日、「医療扶助における移送の給付決定に関する留意点」と題する通知(以下「課長通知」)を自治体の生活保護担当部署宛てに発出した。この課長通知は、4月1日付の「生活保護法による医療扶助運営要領の一部改正」と題する同省社会・援護局長通知(以下「局長通知」)について説明を加えたものである。

 舛添大臣は、10日の記者会見で「(課長通知は局長通知の)事実上撤回と同じような効果を持つ。必要な医療が受けられなくなるのではないかという受給者の不安を解消したい」と述べた。

 しかし、この課長通知は、局長通知を撤回する内容とはなっていない。担当大臣が「事実上撤回」と明言しながら、このような課長通知を出すことは、現場の混乱や生活保護受給者の不安に拍車をかけるものである。

 以下、課長通知の問題点を列挙する。

 第1に、課長通知には、「局長通知の撤回」という表現は一言も出てこない。
 第2に、課長通知は、局長通知の「原則不支給。例外的に支給」という枠組みに
何ら変更を加えていない。
 第3に、課長通知は、「居住地等に比較的近距離に所在する医療機関であること」という場合と「やむを得ない」場合にだけ、管外であっても「受診が認められます」と記載している。
 第4に、身体障害者等について、課長通知においても、過半数をこえる高齢者などの加齢からくる移動困難等が含まれるのかどうか不明である。
 第5に、「高額」の場合のみ移送費を支給するとしており、厚労省が「高額」の基準を明確に示さないため、福祉事務所によってまちまちな基準で運用され混乱や不公平が生じる。
 第6に、「へき地等」の解釈について、課長通知では「電車代・バス代が支給されるのは『へき地』に限られるものではなく、都市部であっても一律に排除されるものではありません」と説明している。しかし、この説明は日本語として意味不明である。

 このままでは、生活保護行政の現場は混乱し、過度の支給抑制を招き、医療にかかれずに健康を害し、自立から遠ざかる生活保護受給者が多数生まれる。さらに、必要な医療にかかれず、命を落とす受給者も出かねない。生活保護費も増大し、本末転倒の結果となるだろう。死者や犠牲者が出てから通知を撤回しても手遅れである。

 民主党は、「生活保護受給者が、必要な医療を打ち切られることがあってはならない」という立場から、4月2日付で既に、4月1日の局長通知の撤回要請の談話を発表している。しかし、今回の厚生労働省の無責任な対応は座視できない。改めて局長通知の完全撤回を求める。

以上

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