民主党は、第2次世界大戦で軍人・軍属として軍務に服しながら、戦後日本国籍を失ったため、戦争被害に対する補償を受けられなかった在日韓国・台湾人などを救済するため、「特別永住者等である戦傷病者等に対する特別障害給付金等の支給に関する法律案(仮称)」を今国会に提出することを決めた。3日の記者会見で発表した。
かつて「日本臣民」と呼ばれた朝鮮半島や台湾などの出身者のうち、戦後、特別永住者として日本で生活してきた旧軍人・軍属は、戦傷病者戦没者援護法や軍人恩給の対象外とされ、日本人の旧軍人・軍属と比べて著しい差別的待遇を受けてきた。
昨年10月には、大阪高裁がこうした処遇をめぐる是非を問う裁判で「違憲の疑いがある」との判断を下している。
民主党案の内容は、特別永住者の戦傷病者で障害をもつ人に対し、現行の戦傷病者戦没者援護法と同等の給付を行い、さらにその遺族に対しても戦没者1人あたり300万円を支給するというもの。
会見では、民主党ネクストキャビネット(NC)の千葉景子男女共同参画・人権・総務大臣が法案の趣旨を説明。
山本孝史NC雇用・社会保障副大臣が、「法案は独自提出が基本だが、他党とも協議し、できるだけ幅広い形で提出したい。高齢の方も多いので、早くすすめたい」と述べ、早期提出の意向を示した。
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