鳩山由紀夫幹事長は26日午前、党本部にオーストラリアのスティーブン・スミス外務大臣を迎え、日豪両国関係の更なる発展に向けて意見交換した。広中和歌子、前田武志、藤田幸久、羽田雄一郎、白眞勲、平山幸司各参議院議員が同席した。
鳩山幹事長は冒頭「オーストラリアと日本は友好関係が深い状況にある」との認識を示すとともに、日豪FTA交渉の進展に基本的に期待する立場であるが、民主党は戸別所得補償制度を提唱しているので、FTAの締結は、民主党が政権をとってその実現を果たすまで待っていてほしいと発言、場をなごませる中で一行の来訪を歓迎した。続いて小沢一郎代表が、各地を転戦し候補者の応援にまわるなど、衆議院の解散総選挙に向けて取り組んでいると説明した。
スミス外相は、オーストラリア労働党政権発足後、今回で閣僚級の訪日は10回目になるとし、先日のラッド首相の訪日の成功も、両国関係の強さを裏付けるものであると述べた。日豪防衛・外務閣僚級協議「2+2」会合にも言及して、経済分野、戦略分野、安全保障分野で更に協力関係を強化する重要性を指摘。捕鯨問題については外交的な解決を見出したいとの意向を示した。
鳩山幹事長は捕鯨問題について、国際捕鯨委員会(IWC)で認められた調査捕鯨の枠の中で日本は行動しており、暴力的行為を看過できない点では政府と同じであると説明。科学的な調査の重要性にも言及した。鳩山幹事長はまた、日本の政治状況について、年金問題におけるミス、財源不足の中で道路だけを特定財源で造り続けてガソリン代などばかりが上昇する状況、そしてお年よりの置かれた立場を省みない後期高齢者医療制度、このような政府の失策が、国民の怒りを買っていると説明し、その点が民主党が参議院で問責決議案を提出し、総選挙を主張している理由であると解説した。
また、鳩山幹事長は、民主党とオーストラリアの労働党との議員交流の促進を提案した。スミス外相も議員間の交流の重要性を受け止め、民主党との党間交流の促進については帰国後、党に伝えたいと応え、一層の友好関係を確認する中で会談を終えた。
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