小沢一郎代表は26日、沖縄県浦添市の浦添・宜野湾漁港を訪問。喜納昌吉参議院議員(沖縄県連会長)、又吉浦添市議会議員と共に、沖縄漁業の問題点などについて意見交換。県名産の海ぶどうの養殖いけすの視察も行った。
はじめに、長嶺盛光浦添・宜野湾漁業組合長ら漁協関係者より、漁業従事者の経営が非常に厳しい状態にあるとの現状報告がされた。その中で特に沖縄の漁業が抱える問題点として、(1)最近の原油の急激な高騰による漁船の燃料代の負担が限界まで来ており、かなり逼迫した状況で漁を行っていること、(2)米軍が沖縄近海のかなり広い海域を演習などに使用するため、漁業者はその狭い海域を縫う様にして、危険と隣り合わせで操業を行っていること、(3)国境が接近する海域であるため、台湾や中国の漁船との間でトラブルが絶えないこと――などが指摘された。
また、漁協としては沖合での漁に加えて、近年では車エビや海ぶどうの養殖に着手し、関東地方にも出荷をしていることなど、漁業の多角経営に力を入れている実態について説明があった。
これらの話を聞いて小沢代表は、燃油の問題に関して、かつて与党にいたとき、やはり燃油問題について議論をしたことがあるとした上で、「世界的な石油の高騰で、政府に対し強く(対策を行うように)主張すると同時に、私たちも具体的な方法を考えて皆さんのお役に立ちたい」と述べた。
さらに、沖縄の固有の問題として米軍による制限水域の問題については、「復帰後、実態に合わせて何も検討がされていない。(制限水域が設定された当時と比べ)米軍の状況も変わっているはずだ」と話し、「この制限水域がこれだけ必要かどうかの検証が行われるべきだが、日本政府はアメリカに主張できないでいる」と指摘。対等な同盟関係であるならば言うべき事は言う、それが真の同盟であるとして、日本政府の姿勢を厳しく批判し、「私たちが政権を取ったならば、アメリカに対してもきちんと主張していく」と述べた。
また、尖閣諸島の問題にも触れ、以前中国を訪問した時に、「尖閣諸島は未だかつて中国の支配に入ったことはない。歴史的事実として日本領として疑いの無いことであり、我々が政権を取った時にはこの問題にけりをつける」と明言したことを引用し、領土の問題をしっかりと決着させた上で、経済や漁業など個別の問題に入っていかなくてはならないとの認識を示し、及び腰で中国に対して主導権を握れない政府の姿勢を批判した。
意見交換終了後には、養殖の車えびの刺身をご馳走になり、そのおいしさに舌鼓を打ちながら、「うん、おいしい!」を連発していた。
そして小沢代表は、「今は野党だが、このように皆さんの声を聞き、いろいろな問題を提起していただきながら、私たちも努力していく」との決意を述べた。
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