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2008/06/27
「骨太方針08」について(コメント)
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民主党政策調査会長
直嶋 正行

○本日、政府はいわゆる「骨太方針」を閣議決定した。本年の骨太方針では、その冒頭に生活者、消費者、納税者の立場に立った改革を謳いあげているが、これは98年に民主党が結党した際に掲げた基本理念である。また、本年の骨太を含めて福田総理は「ムダゼロ」を繰り返すが、これも民主党が長く主張してきたものである。霞が関に政策はおろか政治理念まで丸投げする自民党政権が、社会や国民意識の変化を理解するために10年を要することを明らかにしたものだが、看板だけでも掲げたことは評価しても良い。

○しかし、具体の内容については、結局霞が関に丸投げであり、自民党政権・福田内閣の限界を示している。毎年6月閣議決定される骨太方針は、次年度予算の指針を示すものと位置づけられているが、本年の骨太は全くその役割を果たしていない。

○国民の大きな関心を呼び、通常国会であれほど議論となった道路特定財源改革については、5月の閣議決定を一歩も出ていない。国民の強い批判を浴び、参議院で廃止法案が可決した高齢者医療制度についても、全く国民の期待に応えようとしていない。「ムダゼロ」を繰り返しながら、ムダづかいの最大の要因である天下りについて、何も触れていない。福田総理が熱心に取り組んでいるように見える温暖化対策でさえ、何らメッセージは無い。このような骨太に意味はない。

○本年の骨太の最大の焦点は「2200億円の社会保障費削減」であった。政府は、来年度においてこれを実現すべく、介護保険の軽度者の切り捨てや雇用保険の国庫負担廃止を検討していると伝えられている。しかし、高齢者医療制度に対する国民の批判、医師不足、介護従事者不足等による国民の不安を真摯に受け止めれば、これ以上の社会保障費の抑制は適当ではない。さらなるセーフティネットの弱体化は消費の減退を招きかねず、財政再建を実現するためにも、まずはムダづかいの根絶を徹底すべきであり、骨太ではその方針、数値目標などを明らかにすべきであった。

○本年の骨太は「焼き直し」と「先送り」のオンパレードであり、これを「骨太方針」ということはできない。そもそも一院で不信任とされている福田内閣がとりまとめること自体が疑問であり、このような「骨太方針」であれば不要である。真に生活者、消費者、納税者の立場に政治を実現するためには、民主党が政権を取ることが不可欠である。

以上

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