民主党地球温暖化対策本部(本部長:岡田克也副代表)は3日午後、国会内で会議を開き、(1)総合資源エネルギー調査会・新エネルギー部会の緊急提言「新エネルギー政策の新たな方向性」について、(2)「地球温暖化対応のための経済的手法研究会」中間報告書案について、(3)「排出量取引の国内統合市場の試行的実地」環境省案について、資源エネルギー庁、経済産業省、環境省よりそれぞれヒアリングを行った。
冒頭、岡田本部長が挨拶に立ち、目前に迫ったG8北海道洞爺湖サミットに言及、主要排出国が参加する枠組みづくりや中期的、長期的目標設定については「楽観的な見通しはない」としたうえで、「明確な方向性が示されることを期待したい」と述べた。
会議ではまず、資源エネルギー調査会 新エネルギー部会がとりまとめた緊急提言案の概要についてヒアリング。続いて、経済産業省からは「地球温暖化対応のための経済的手法研究会」がとりまとめた「ポスト京都」におけるわが国の産業分野を中心とした対策についての中間報告を、環境省地球環境局からは「排出量取引の国内統合市場の試行的実地」について環境省案の説明を受けた。
ヒアリング後の質疑応答では民主党から、資源エネルギー庁に対して、緊急提言で示された政策のうち「太陽光社会の実現」について、太陽光発電導入にあたっては税制や補助金で対応するのではなく、ドイツを例に高い料金で買い取ることで促進を図るべきではないかとの提言がなされた。そのほか、風力発電に関しても買い取り価格が安く採算が取れないとの意見があるとして、RPS(電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法)の運用強化、買い取り価格を上げるようにすべきとの意見が出たが、資源エネルギー庁側は前向きな姿勢は示されなかった。
また、経済産業省、環境省に対しては、本年秋からのCO2排出量取引の国内的市場の試行的実施に向けて、両省間での主張の調整可能かを質問。双方は、官邸が調整役となって検討チームを設置させるとして、福田首相の指示に基づき緊密な連携・協力を図っていくと説明した。これに関連し民主党からは、排出量取引は企業間のみならず森林による吸収量も考慮すべきとの観点も示され、それを想定して農水省も含めて議論をするよう問題提起があった。
|