岡田克也副代表は9日、埼玉県東松山市を訪れ、埼玉10区総支部と前衆議院議員松崎哲久後援会の合同集会に出席して、「政権交代」への思いと、その実現のために松崎哲久総支部長の議席回復、それも2003年のように比例代表北関東ブロックでの復活当選でなく、「小選挙区での当選」を確実にするよう、150名を超える来会者に訴えた。
合同集会は去年の県議選に惜敗した水谷幸太郎総支部常任幹事が司会を務め、松崎哲久後援会の佐藤尚武会長の開会の辞で始まった。来賓として出席した行田邦子参議院議員が「逆転の夏」に埼玉でも実現した2議席獲得と、自身の最高点当選の御礼の言葉を述べると、その熱気を再現するかのような拍手が起こった。
埼玉10区総支部には8人の地方議員がいる(現職)。集会には公務の都合でやむなく欠席した2人を除き6名が出席。その一人ひとりが当選順に2分程度のスピーチをしたが、去年の統一地方選挙で初当選が2人、8月、9月、今年4月の初当選が各1人と、1年間で5人も増えている。総支部の次の目標は総選挙での松崎総支部長の復活だが、そのための地歩固めが着々と進んでいることが誰の目にも明らかになった。
続く松崎前代議士の挨拶は、現職時代の最後の仕事が当時の岡田代表の特命による「500日プラン」の起草だったことを紹介し、民主党は9月に代表選挙が実施される予定だが、「誰が代表であっても政権獲得の準備は出来ている」こと、「投票結果が判明したその日から政権政党として機能していく」ために、全党で「政権準備政党」としての活動を怠りなく進めていることを話した。しかし、浪人中の「自分がすべきことは地を這うような地元活動」であるとの自覚と決意を披瀝し、4時半に起床してから駅立ち、ポスティング、訪問活動、そしてポスター展開、会合出席等々が続く日々の日課を説明すると、激励の拍手が湧き起こった。
真打ちとして登壇した岡田副代表は、松崎前代議士とは岡田夫人の兄を共通の友人として30年以上の関係があることを紹介し、また政権獲得後の党運営、国会運営のためにも、「ともかく早く国会に戻して下さい」と出席者の支援を要請した。そして政権交代をなぜ実現しないとならないかを、50年以上も続く自民党の長期政権の一員だった時代から、離党して新生党を立ち上げた事情、新進党の分裂から98年の民主党結成に至る経緯等々を分かりやすく説明して、政治が国民の立場に近づく必要性について諄々(しゅんじゅん)と語りかけた。聴衆には岡田副代表の真摯(しんし)で誠実な人柄が伝わったようだ。
30分の講演後、質問を受けつけると7人が次々に手を挙げた。多岐にわたったテーマにも岡田副代表は丁寧に答えて、党の対応が不明だった1点については、「松崎さんを通じて、すぐに答えます」と約束するなど、ますます聴衆の信頼を得る時間となった。
最後に滑川町後援会の井上隆夫会長が御礼の言葉と閉会の辞を述べても、会場は立ち去り難い雰囲気につつまれた。岡田副代表と松崎前代議士夫妻は出口に立ち、一人ひとりと握手をし、希望する人とは記念写真を撮って、来たるべき総選挙への決意を固めあった。
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