63回目を迎えた「長崎原爆の日」の9日、菅直人代表代行は長崎市内の平和公園で行われた市主催の長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に参列した。
水を求めて亡くなられた多くの方々に届くようにと行われる献水に続き、献花が行われ、菅代表代行は原爆でなくなられた方々への祈りをささげるとともに、恒久平和を願って民主党の代表者として花輪を手向けた。
原爆投下時刻の午前11時2分の黙とうに続き、「平和宣言」のなかで田上市長は、今年は長崎市初の名誉市民である長井隆博士の生誕100周年に当たることに言及。長崎医科大学で被爆して重症を負いながらも、医師として被爆者の救護に奔走し、原子病に苦しみながらも原爆の恐ろしさを伝えてきたと紹介。そのうえで「『戦争に勝ちも負けもない。あるのは滅びだけである』という博士の言葉は時を超えて平和の尊さを世界に訴え、今も人類に警鐘を鳴らし続けている」と語った。
同時に米国大統領のもとで核政策を進めてきたキッシンジャー元国務長官らが自国に対して包括的核実験禁止条約(CTBT)の批准を促し、核不拡散条約(NPT)再検討会議で合意された約束を守るよう求めるとともに、すべての核保有国の指導者に対して核兵器削減に取り組むよう求めていることを提示。「これらは被爆地から私たちが繰り返し求めてきた訴えと重なる」と市長は述べ、米国、ロシアに「核兵器の大幅な削減に着手すべき」だとして、英国、フランス、中国には核軍縮の責務を果たすよう強く要請。また「核兵器の廃絶なくして人類の未来はない。核兵器に『NO!』の意志を明確に示そう」と世界に呼びかけた。
さらに、日本政府に対しては、被爆者が高齢化するなか、国内外の被爆者に対して実態に即した救護を急ぐようにと重ねて求めた。
この1年間に亡くなったり、死亡が確認されたりした原爆死没者は3058人。死没者名簿3冊が、平和祈念像前の奉安箱に納められた。
式典では横路孝弘衆議院副議長が献花を行うとともに、岡田克也副代表、近藤昭一、平岡秀夫、松本大輔各衆議院議員、前田武志、白眞勲、大島九州男各参議院議員らも参列した。
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