鳩山由紀夫幹事長は9日、栃木県宇都宮市内で、石森久嗣・栃木県第1区総支部長とともに街頭演説を行い、政権交代の必要性を主張、「県都、宇都宮から政治を変えよう」と訴えた。
鳩山幹事長ははじめに、中国製冷凍ギョーザ事件で中国政府に配慮した結果、国民に対する情報開示が当初なされなかったことを「大きな政治的誤り」と指摘。「国民の目線に立った政治が実現できるとは思えない」と指弾した。さらに、消費者庁創設を目論み消費者重視の政治とうそぶく中のできごとであることも問題視。「明らかに失政である」と、国民軽視の政治を厳しく非難した。
また、官僚、財務省の言いなりの政治の一例として、11兆8000億円の75歳以上の医療費を5000億円削減するため、小泉政権下で後期高齢者医療制度の導入が決定されたとその経緯を説明。「社会保障は教育と同じく聖域である」と述べ、人の命、暮らしを守ることが政治の使命であると強調した。
そのうえで、こうした状況下にあっては一段と医師として長年働き医療現場の実態を知り尽くしている石森総支部長の力が必要であると主張。「政治を変えないと暮らしは変わらない。県都、宇都宮から国民が主役の政治を取り戻そう」と、民主党への理解と支援を求めた。
続いて石森総支部長がマイクを握り、広島、長崎の被爆から63年目を迎えたことに触れ、平和、命の尊さを力説。財政再建を理由に社会保障費を削減、国民生活を省みない政府・与党に対して「今の政権・与党には命の問題は任せられない」と批判した。
加えて、原油・物価高騰に対して何ら対策を打ち出せないことにも触れ、官僚任せの政治の横行を止め、国民感覚と乖離した政治を打破しなければならないと強く訴えた。
「政治を一人では変えるのは無理。(政治を変えられるのは)国民一人一人が前に進もう、変えようという気持ちしかない」とも述べ、「今こそ変わらなければならない、変えるときにきている。私たち国民ひとりひとりが強い意志をもって政権交代を実現しよう」と呼びかけると集まった聴衆から大きな拍手が沸き起こった。
石森総支部長は、医師であるととも元ラガーメンという熱血派。「元気があれば何でもできる」と気合十分で、国民の安心・安全の生活を取り戻していく決意を力強く表明した。
街頭演説会は齋藤孝明栃木県議会議員の司会進行のもとで行われ、栃木県選出の簗瀬進参議院議員も参加。演説会後には商店街を歩いて遊説、厳しい生活に追い込まれている状況への悲鳴からの熱い声援と、市民の声を受け止めた。
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