民主党中国製餃子中毒事件対策本部(本部長:鳩山由紀夫幹事長)は12日午前、国会内で会議を開き、中国製冷凍ギョーザ中毒事件について関係省庁よりヒアリングを行った。
会議の冒頭、鳩山幹事長は挨拶に立ち、消費者の目線を重視すると福田内閣は声高に主張しているが、今回の件は「襟を正さなければならない事態だ」と述べ、中国での中毒の規模、今回の日本政府の対応はどこの判断によるものか等について、ヒアリングを通じて事実を解明していくと表明。同時に、国民の目線、消費者の立場に立った政治はどうあるべきか、議論してほしいと参加議員に呼びかけた。
ヒアリングは内閣府、外務省、警察庁、農林水産省、文部科学省の順に行われ、外務省の説明によると、中国からの連絡は7月7日の深夜に北京にある日本大使館に伝えられたが、「中国国内での捜査に支障をきたすので公表しないでほしい」との中国側からの要請を受け入れる形で、アジア大洋州局長は8日、情報を不開示とすることを決定。同日中に外務大臣はじめ官邸に報告されたことが明らかになった。
「その時点で福田総理も知っていたか」との参加議員の問いに外務省側は、「官邸のなかでは総理にも伝えている」と回答。8日の時点ですでに福田首相の知るところであったことを明示した。
また、不開示とした外務省アジア大洋州局の判断を福田首相も承認したかという点についても問いただすと、外務省側は首相に伝わったという報告と、その判断に首相が異を唱えて公表を指示したということは伝わってこなかったため、不開示とした判断は首相にも了承されたものと認識したことを明らかにした。
さらには、中国側が不開示を求めた理由とされる「捜査に支障をきたす」恐れについて、具体的に何を指すかとの問いには、警察庁でさえ具体的に思い当たらない、判断できないといった回答が示された。
ヒアリングを通じては、国民の安全にかかわる問題であるにもかかわらず「捜査に支障をきたすから控えてほしい」との中国側の要請だけを鵜呑みにして、外務省の一部局が判断した点の是非も問われ、出席議員からは「外国からの要請があれば国民にとって重要な事実が隠蔽されるのか」との非難の声が相次ぎ、国民軽視のその姿勢が極めて問題視された。
また、情報共有が省庁間でもなされていなかった実態を問題視する声にも外務省は「今回の不開示の判断は正しかった」という姿勢を曲げず、今回情報が伝えられなかった野田聖子消費者行政担当大臣が「今後の情報の共有化」を求めている点についても開示されるかについては外務省側は明言を避け、「消費者重視、国民重視」と銘打つ福田内閣はまさに羊頭狗肉、看板倒れで「外務省主導」である実態が露見した。
会議には同対策本部の直嶋正行本部長代理(政策調査会長)、同副本部長の増子輝彦『次の内閣』ネクスト経済産業大臣、同事務局長の小宮山洋子ネクスト文部科学大臣、山井和則ネクスト厚生労働副大臣、藤田幸久ネクスト防衛副大臣、松本剛明衆議院議員、一川保夫、柳澤光美両参議院議員が参加した。
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