菅直人代表代行は23日夕、本多平直・埼玉県第12区総支部長とともに熊谷市を中心に埼玉県内4カ所で街頭演説を行い、民主党への理解と支援を求めた。
JR籠原駅付近の街頭演説では、あいにくの小雨にも係らず菅代表代行の演説を聞くためにと150人近くもの人々が集結。菅代表代行の到着を今か今かと待ちわび、姿を見るや道路を渡り街宣車の周りを囲んだ。
本多総支部長はマイクを握るとはじめに、国会議員としての求められ課題について(1)税金のムダ遣いをなくすこと、(2)年金・医療改革――の2点を列挙。参議院での与野党逆転により様々なムダ遣いの実態が明らかになったとその成果を強調したうえで、5月に菅代表代行とともに埼玉県内の関東地方整備局を調査したことにも触れて道路特定財源をめぐる国土交通省の不適切な遣い方を指摘。官僚の天下り先としての組織、団体が多くあると政官業の癒着の構造も改めて問題視し、これらのムダ遣いをなくすことで約12兆円の財源が生まれると説いた。
ムダ遣いを正すことで生まれるこの財源を年金・医療改革に充てたいと本多総支部長は訴え、国民が安心できる年金制度の建て直しと救急患者の病院たらい回しなどの事態を招いている医師不足解消への意欲を示した。
次期衆議院選挙については今のままの政治でいいのか、あるいは民主党に政権を任せるか、国民の真意を問う選挙であると位置づけ、民主党が政権を獲ることで「国民の生活が第一」の政治を実現すると明言。「その政治を変える先頭になって働きたい」との決意を述べた。
本多総支部長について菅代表代行は、自身が厚生労働大臣時代、薬害エイズ問題の解決に向けてサポートしてくれた人物だと紹介。厚生労働省、製薬会社の責任追及において不可欠な質問趣意書を作成してくれたとして、本多総支部長の功績を称えた。
そのうえで、消えた年金記録問題、薬害肝炎問題を例に挙げ、民主党の力で官僚のミスが表に出てきていると説明。次は、間違いが表に出るだけではなく、間違いをなくさなければならないとして、そのためには政権を変える必要があると主張した。
菅代表代行はまた、道路特定財源によりムダな道路を建設し、公共事業のムダ遣いにより政治家が権力を増大させていると、これまでの悪しき慣習を批判。「今の日本の政治は役人が力を持っている。内閣そのものが官僚にコントロールされている官僚内閣制だ」と断じ、今のままでは官僚のムダ遣い、ミスは表に出てきずらいと改めて指摘した。
最後に、「役人は一票で変えることはできないが国会議員は国民の一票がなければなれない」と述べ、国民の皆さんの一票により政治を官僚主導から国民の手に取り戻そう」と力説。「皆さんの手で政治を変えるために民主党への応援を」と、党への理解と支援と呼びかけると、聴衆からはその声に応える大きな拍手が沸き起こった。
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