民主党の菅直人幹事長は、8日の定例会見で、自民党の加藤紘一元幹事長事務所の佐藤三郎前代表が脱税容疑で逮捕されたことに触れ、「鈴木宗男議員の問題と同じ構造だ。この自民党の金権政治の構造を変えない限り、根本的な構造改革はできない」と指摘した。
会見で菅幹事長は、佐藤前代表と鈴木議員の問題はどちらも「口利きで金を集め、同僚にばらまいて派閥を維持する」という共通の構造を持っており、これこそ「自民党の金権体質の根本だ」と指摘。さらに、鈴木議員が他議員へ金をばらまいていたことに対して小泉首相が「こまめに面倒を見ていたんだね」などとコメントしたことを取り上げ、「政官業癒着の政治構造を変えない限り根本的な構造改革はできないのに、総理はまったく気付いていない」と小泉内閣の姿勢を批判した。
また11日の鈴木議員の証人喚問について、「喚問で疑惑が晴れない場合は、国会議員として不適格ということになる可能性が大きい」とし、議員辞職勧告決議案を提出する考えを示した。また、鈴木議員の私設秘書のムルアカ氏をめぐる外交官ID不正発給疑惑に関連して、ムルアカ氏本人の参考人招致を求めていく意向も明らかにした。
さらに、GDP速報値段階で3四半期連続のマイナス成長になったことに触れ、「経済はますます落ち込んでいる。総理は“これから、これから”とばかり繰り返しているが、いい加減“これっきり”にしてもらいたい」と述べ、日本経済にとっても、構造改革にとっても、今こそ政権交代が必要になっているという認識を示した。
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