12日、参議院予算委員会において外務省問題に関する集中審議が行われ、民主党の若林秀樹議員が質問を行った。若林議員は、北方四島「支援委員会」の事業、外務省改革の内容、ODA改革のあり方などをめぐって政府の見解を質した。
若林議員は冒頭、前日の鈴木議員に対する衆議院での証人喚問について首相、外相の感想を聞いた上で、「なぜ鈴木議員だけが突出した力を持ったのか、なぜブレーキがかけられなかったのか」と質した。小泉首相は「私も不思議で仕方がない。外務省は何をしていたんだという気持ち」などと答弁。若林議員は「背景にお金の問題がある。3年間で2億円以上の資金を集め、50人以上の議員に配るというのは異常だと思わないか」と質したが、首相は「少なくとも私より資金調達能力がある」などと軽口をたたき、他人ごとのような対応に終始した。
支援委員会をめぐっては、2000年にイスラエルで開かれたロシア経済に関する国際会議への参加費用支出について、その内容を質した。外務省の齋藤欧州局長は、外務省員6名を含む17名分の旅費として、2152万円余を次官決裁で支出したことを報告。若林議員は「目的外の支出だったことを認めるか」と追及し、齋藤局長は「適当だったとは思われない」と認めた。
また若林議員は、「北方領土返還要求をうち切れ」などと主張している人間(鈴木議員)に影響されて支援事業を行うのは国益を損なうことになるのではないか、と川口外相を追及。外相は、外務省の文書に記録された鈴木議員の発言について「正直なところびっくりしている。全体の脈絡があるのでは」などとしたが、若林議員は、当事者である西田経済協力局長に文書の記録が真実であることを確認した上で、いまだに鈴木議員の嘘の答弁に惑わされている外務省自身に問題がある、と厳しく指摘した。
外務省改革については、報償費40%削減の内訳について質問。単なる項目の置き換えを除いた純粋の減額分はいくらか、と質した。北島官房長は、8億円と回答。若林議員は、各国大使館の便宜供与にかなりの報償費が支出されていると見られることなどを指摘した上で、さらに支出内容の厳正な検討を要求した。
ODA改革をめぐっては、インドネシアにおけるODA医薬品の横流し問題、およびケニアの国情不安などを質し、執行状況をしっかり把握し責任ある支援を行うよう要請。特に日米ODAを比較し、供与対象の「集中と選択」が必要だ、と指摘した。
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