事故米・汚染米の転売問題の閉会中審査が開かれた衆院農林水産委員会で18日午前、『次の内閣』ネクスト農林水産大臣の筒井信隆議員が質問に立ち、「消費者がやかましい」「じたばた騒いでいない」などと食の安全を軽視している発言を繰り返している太田農林水産大臣や、自分たちの責任ではないと言い放った農水省の姿勢について質した。
筒井議員は、今後は事故米・汚染米の流通を絶つとしている農水省に対し、これまでもそれが可能であったにもかかわらず流通を絶つことなく、転売していたことがそもそも問題だと指摘。そうしたなか、「一義的には三笠フーズに責任がある」と言い放った農水省次官の発言を問題視。「今度の問題を起こした責任は一義的には農水省にあるというべきではないか」と厳しい口調で指摘した。それに対して太田農水相は「こういう流通のしくみそのものが問題の基本にある」などと述べたうえで、通報によって検査には入りながらも発見できず、1年以上を経過し、再度の通報で今回の事件が発覚したと経緯を語り、「今日に至ったのは大変な問題」などと第三者的な発言を繰り返した。
筒井議員が次官本人が発言を撤回し、謝罪すべきと繰り返し指摘したが、任命権者として注意したことで国会への責任は果たしたとする答弁を太田農水相は繰り返したうえ、「どこでどうすべきかはお答えできない」と発言。筒井議員は「大臣が聞けば済むのか。これこそが農水省の姿勢が問われている」として農水省の官僚自体が自らの責任を認める姿勢が見られないことこそが問題だと言及した。筒井議員の再三の指摘に太田農水相は最後に、「事務次官からそれを言うのが適当かと思う」と述べ、謝罪の記者会見をすべきと語った。
筒井議員はまた、カドミウム米は粉砕して着色していたにもかかわらず、事故米・汚染米については着色しなかった点を問題視。転用防止のためにも着色すべきであり、着色しないことは転用される可能性を高めることになったとして、着色しなかった理由を質した。太田農水大臣は契約書があったので転用されることはないと思ったなどとする認識を示しながらも、「カドミウム米は着色してなぜ事故米は着色しなかったのか不思議である」などと答弁。大臣自身も不可解だとする認識を示した。また、水濡れ等と同列に考えるのが通例化していたという驚くべき農水省の姿勢が答弁から浮き彫りになった。
筒井議員はそこには安全性への認識の欠如があると厳しき批判。同時に、転用を看過する姿勢があったのではないかという見方を示し、「工業用ノリ業者に限定して販売すべきでなかったか」と問題提起した。
さらには、立ち入り検査の際には購入数量と転売先や転売数量等を明記した伝票を調査しながらも、伝票に明記されていた転売先には一度たりとも調査を行っていなかったことが審議から明らかになった。筒井議員は「つまりはウソの転売先だ。何で販売先と伝票に書いてあるところに行かなかったのか」と指摘し、「この事件の一義的な責任は農水省にある」と重ねて断じ、転売の可能性をつくりだし、問題の拡大させた農水省の責任を厳しく指摘し、質問を締めくくった。
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