小沢一郎代表は18日、長崎県長崎市内で記者会見を開き、次期衆議院議員選挙長崎県第2区の公認予定候補として、薬害肝炎訴訟の原告団の一人である福田衣里子さんを擁立することを決定したと発表した。会見には福田さんも同席し、強い決意を表明した。
冒頭に高木義明長崎県連代表より、「今の政治の大きな流れは、一度政権は変えなくてはというものであり、その期待を受けて長崎県全選挙区で候補を擁立する方針を立ててきた。福田さんはすばらしい信念を持っている。候補になってほしいと思い、働きかけてきた」と、今までの経緯を説明した。
小沢代表ははじめに、「長崎県連の努力で、私たちの要請にこたえて頂いた福田さんの決断に心から感謝と、敬意を表する」と、謝意の言葉を述べた。
続いて、「日本の政界に必要な人材は、国民の生活を、国民のために、一国民としての初心を忘れず、一生懸命政治に取り組む人材こそ今の政界に必要だ」と、政治家として求められる姿勢に関して見解を披露した。
さらに今日の行政について触れ、「薬害の問題は国民の命、生活を一顧だにしないやり方で、多くの国民の命が奪われた。これは厚生行政だけではなく、長い権力の中で自民党と結託し、自らの保身と利権を守ることに汲々としている今日の行政のなせる結果」と厳しい口調で指摘し、政権交代の無い長期政権は権力の腐敗だけではなく、直接国民の命を脅かすとも批判し、現在の行政を根本から変えなくてはならない、官僚機構も中で働く人材も変えていくとの方針を示した。
小沢代表は、「福田さんはご自分の体験と運動の中で、厚労省のありのままをよく見てきた。いろんな行政分野の中で、厚労省は多くの予算を持っている。薬事・年金・医療など、もっとも国民生活に密接な仕事をしている官庁だ」として上で、「ここ(厚労省)を立て直すために、福田さんに先頭に立って頑張ってほしい」と、大きな期待を寄せていることを表明した。
続いて福田さんが思いを表明した。福田さんは、「薬害肝炎の問題にかかわって、ようやく救済法が成立したが、いまだ救われない方がたくさんいる。各地で患者や医療機関の皆さんと話しをし、証拠がないと国は何もしてくれないという声を聞いてきた。政治は何もしてくれず、私自身歯がゆい思いをしてきた」と語り、薬害肝炎問題に限らず、救える命を救えない社会に日本は陥っていることを痛感してきたと述べた。
その上で、「しかし、最終的に、多くの命を奪うのも政治だが、多くの命を救うのも政治だということを痛感し、命を救う手伝いができるチャンスがあるのなら、やらなくてはならないと思った。皆さんに繋いでいただいた未来と命で多くの命を繋いでいけるような生き方ができたらと思い決心した」と強い決意表明があった。
会見には、山田正彦衆議院議員(ネクスト厚生労働大臣)、大久保潔重参議院議員も同席した。
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