参院農林水産委員会で平野達夫議員に続き、18日午後、福山哲郎参院政審会長、高橋千秋、米長晴信両議員が三笠フーズ汚染米食用転売問題で農林水産省の責任を追及した。
福山議員は、まず、太田農水相の「人体には影響がない」との発言は無責任さに憤りを感じるとして改めて見解を質した。太田大臣は、「食品安全委員会の見解を申し上げた」として、自らの責任には全く触れなかった。このため福山議員は、「大臣としての不適格性を表している」と切り捨てた。
さらに、福山議員は三笠フーズとの売買が4年間で55回、そのうちの44回が随意契約であったことを明らかにしたうえで、「キロ当たり11円で購入している。工業用の糊の原材料費の相場はキロ当たり3円から11円。赤字を呑めと言って随意契約している。類推すれば転用販売を知っていたのでは」と詰問した。
また、検査がコメの工業用糊への加工日の11時から12時で96回もの検査回数でありながら同じような検査報告であり、配送伝票や銀行帳簿も調べていないことも明らかにした。その上で、三笠フーズが転売しているとの匿名の通報があった平成19年1月29日から3月6日までの検査報告書がないとして提出するよう要求した。太田大臣は、「提示させる」と答えた。
福山議員は、最後に「3月6日からも同様な検査に行っている。農水省の不作為責任が問われる」と結んだ。
高橋議員は96回の検査はいずれも事前通告だったことを確認したうえで、三笠フーズからの売り先の伝票を調査し、「キロ当たり100円だとすれば、おかしいとすぐ分かる」と検査のずさんさを指摘。売り先に行ったのかを質した。町田農水省総合食料局局長は「行っていない」と答え、検査がずさんさだったことを認めた。
また、高橋議員は、転売先を公表したことでの被害についてどこまで責任を負うのか、国家賠償を求める動きもあることを指摘して追及した。太田大臣は、「公表したのは知らずに売買した事業者とはっきりしている。可能な限り支援したい」と答えた。
米長議員は、平成19年1月29日の匿名の通報から実態を放置していた責任を追及。「大失態だ」として処分を要求した。町田局長は「反省している」と答えた。また、太田大臣は、「大臣の職権で処分する」と明確に答えた。
また、転売、流通先でどのような価格で販売されたのか調査しているのかを米長議員は質した。町田局長は、「在庫は押さえた」としたものの、価格は把握していないとした。
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