鳩山由紀夫幹事長は22日午後、自民党総裁選挙で麻生幹事長が選出されたのを受け、都内で記者団に答えた。
はじめに、麻生新総裁誕生の感想を問われると、「おめでとう。これで内閣支持率も上がり解散総選挙も早まるのではないかと期待する」と皮肉り、民主党は政権奪取に向けて頑張ると改めて表明。そのうえで、本来新総裁は福田首相の突然の政権投げ出しにより生じた政治空白への謝罪からスタートすべきところその声が聞こえないとして、「野党の幹事長として、政治家の一人として看過できない」と批判した。
北朝鮮の拉致再調査についても白紙に戻ったと指摘、自民党総裁選によって国益を損なうことばかりが続いたことにお詫びがないと批判し、政治家として自民党に代わって「申し訳ない」と謝罪。民主党が政権を担うことで国民に対して責任を果たしていく覚悟を語った。
一政治家としての感想を問われたのに対しては「個人的には面白い方ではないか」と述べる一方、後期高齢者医療制度を例に挙げ、幹事長という責任ある立場でこれまで賛成していたにも係らず突然廃止、見直しを主張するなど「わけわからん」と、主張が定まらないその政治姿勢を問題視。自分の意思を持っておらず、選挙に勝つために筋を変える政治家であるとの見解を示した。
臨時国会については、リーマン・ブラザーズの経営破綻に伴う金融不安や事故米の不正転売により著しく傷ついた食の安全や、社会保険庁の組織ぐるみの関与が明らかになった「消された年金」など、山積する問題に関して予算委員会で大いに議論していく方針を明言。審議を通じて民主党、自民党のどちらが正しいか国民に判断してもらったうえ、総選挙で選択してもらいたいとの意向を示し、早期の解散・総選挙を求めながらも政治家としての責任を果たすべく国会審議に前向きに臨む考えを強調した。
来るべき総選挙において、一般に国民的人気が高いという評判の麻生幹事長と戦うことについては、自民党の総裁は皆強敵であり、岩盤が固いとの認識を明示。「相手が強ければ強いほど民主党も強い戦いができる」と強い思いを表明した。
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