輿石東参院議員会長は2日午前の参院本会議で、麻生首相の所信表明に対して、民主党・新緑風会・国民新・日本を代表して質問に立ち、「あなたのやることはただ一つ。補正予算を審議したうえでさっさと解散し、民意を問うこと」と解散時期を明確にするよう求めた。
首相は、補正予算、消費者庁の創設、インド洋での給油活動継続などの政策課題を挙げ、「解散よりも政策の実現を優先したい」などと答えた。
輿石会長は、まず、中山前国土交通相の成田空港拡張反対はごね得、日本は単一民族、日教組をぶっ壊すとの問題発言を指摘、首相の任命責任を問い質し、他にも不適正な献金などの問題を抱えている閣僚もおり、「戦後の一時期、総理の祖父である吉田茂元総理が行ったようにあなたが全大臣を兼務されたらどうか」と、麻生内閣を痛烈に皮肉った。
そのうえで、首相の発言のぶれにも触れ、後期高齢者医療制度の抜本的見直し、基礎年金の全額税方式の導入を提唱していたことを指摘、どのような政策を実行するのか明確にするよう求めた。首相は、国民的議論が必要として問題提起したものであると言い逃れに終始した。
個別課題について、輿石会長は、金融危機への対応、経済対策、基礎的財政収支、基礎年金の国庫負担額2分の1への引き上げ財源としての消費税、年金一元化と税方式、道路特定財源の一般財源化、高速道路の無料化、汚染米事件への対処、農家への所得補償、消えた年金・消された年金への対処、高齢者介護の整備、後期高齢者医療制度の廃止、子育て支援、教育支援、憲法の集会・結社・言論の自由の確保、宗教団体の政治活動、日米関係、テロとの戦いなどに関して民主党の主張を説明したうえで、首相に見解を質した。
首相はいずれの課題についても原稿を棒読みの官僚答弁に終始した。
特に、輿石会長は、汚染米事件をめぐり、農水省の内部資料に、野党からの資料請求については、「各省庁限りの判断で資料を提出することは厳に慎む、自民党の筆頭副委員長に相談すること」と明記されていることを取り上げ、国民の知る権利を侵害するものとして、見解を質した。首相は、「資料請求が過重な業務につながらないようにするため」と答えた。
輿石会長は、「人生80年時代、すべての人に『出番』と『居場所』のある生活を作り出し、崖っぷちの日本の再生の道は政権交代以外にない」と、総選挙の勝利に全力を挙げることを改めて強調して質問を終えた。
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