民主党は4日夕、鹿児島市内において街頭演説会を開催。鳩山由紀夫幹事長をはじめ、鹿児島県内の民主党の衆議院各総支部長がそれぞれ演説に立ち、消された年金問題や、汚染米による食の安全など、国民の生活を脅かし続ける自民党政権に変わり、国民の手に政治を取り戻すため、民主党に力を貸してほしいと訴えた。
はじめに演説に立った、あみや信介・第5区総支部長は、「政府は(予算の中から)毎年2200億円も削って、そのしわ寄せは医療や年金に出している一方で、高級官僚の天下り先の団体には年間で12兆6000億円も浪費している」と話し、「こんな税金の使い方では、私たち国民の生活が良くなるとは思えない」と分析。国民生活の目線に立った新しい政治を作るために、一生懸命闘っていると自らの姿勢を表明し、民主党への支持を求めた。
次に、みなよし稲生・第4区総支部長は、少ない年金で暮らしているおじいちゃん、おばあちゃんたちの本当に苦しんでいる声を聞き、「政治が国民を苦しめてはいけない」と改めて心の底から思ったと表明。結果として国民の暮らしを破壊することを、役人が政府の一員として行っている現状に対し、「こんなことを許してきた今の政治を変えていかなくてはならない」と訴え、地域の声を国政に届けるには政治を変えなくてはならないと会場を埋める多くの支持者に向けて、力強く語った。
打越あかし・第2区総支部長は、20歳で政治を志してから30年間この道一筋に歩んできたと前置きし、「一国を担う者、一つの地域を担う者、人様の生活を語る者は勉強しなくてはならない。汗を流さなくてはならない。この当たり前のことができていない政治家がたくさんいる」と語り、苦労しないでその地位に就いたものは、一国の総理でも簡単に投げ出すと、今の自民党政権の無責任体質を厳しく批判した。そのうえで、「皆さんが本気でこの国を変えるつもりなら変えられる」と述べ、民主党へのその思いをぶつけてほしいと訴えた。
川内ひろし衆議院議員(第1区総支部長)は、「政治は生活である」と述べた上で、「生活を向上させていく具体的な政策を実現することが政治の第一の役割だ。年金、子ども手当て、高速道路無料化など、民主党は具体的な数字を挙げて政策を訴えている」と話し、国会の所信表明でさえ、何ら自らの意思を示さず、この国をどこへ導きたいのか、何をしたいのか全く分からない麻生内閣との差を浮き彫りにした。
そして、「将来に対して希望を見出すことのできる政治を作っていかなくてはならない。政官業もたれあいの古い政治はもう終わりにし、『国民の生活が第一』の政治を作り上げるために、民主党に力を貸してほしい」と声を大にして訴えた。
最後に鳩山由紀夫幹事長が演説に立ち、「各総支部長から、この国を今こそ変えなくてはならないという一致した思いを訴えさせていただいた」と表明。福田首相の政権投げ出し、政治家としてビジョンも覚悟も無かったことについて、「世界的な信頼も、国内での信頼も失ってしまい、国益をここまで損なわせてしまったこと、このような政治家にこの国を統治させてしまったことを甚だ残念でならない」との認識を示し、政治を変えよう、変えさせてほしいと訴えた。
さらに、年金問題や汚染米問題などに関連して、自民党国対から各省庁に対し、民主党からの資料請求に応じる際は自民党国対に報告するよう求める、まさに国民への情報隠蔽が行われたことを厳しく批判し、「自民党と役人の間の甘い関係が結果として、国民の食卓の安心を奪い、年金問題などで未来を奪っている。今こそ官僚主権の官僚政権ではなく、国民の皆さんが軸になって政策を作る国民政権を作り上げていこう」と訴え、民主党にさらなる力を貸してほしいと、会場を埋める支持者に呼びかけた。
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