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2008/10/06
【衆院予算委】長妻議員、年金記録・天下り問題などで首相ら追及
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 6日夕の衆議院予算委員会で、長妻昭政調会長代理は、年金記録や天下りの問題への政府の対応について、麻生首相、舛添厚生労働大臣、甘利行政改革担当大臣に質問した。

 長妻議員は冒頭、税金のムダを削ることが日本政治の課題の一つだと指摘。自民党は浪費を積み上げた責任を実感すべきであり、どんな立派な人物が総理になっても、自民党型の、政官業が癒着して官僚をコントロールできないシステムの中では、政治は変わらないという考えを示した。

 続いて、厚生年金の標準報酬月額の改ざん、すなわち「消された年金」問題に言及。厚労省が認めた144万件にこだわらず、紙台帳にもあたって改ざん率を出す大規模なサンプル調査を求めた。また、国民年金の不正免除問題同様、社会保険庁の全職員・全OBへのヒアリングが全容解明には必要だと指摘した。

 舛添厚生労働大臣は、優先順位のつけ方や手法が異なるとしてこの提案を拒否、自分たちのやり方が一番正しいという信念を変えなかった。これに対し長妻議員は、民主党が政権を担えば政府を変えると表明、年金通帳を提示したうえ、被保険者の支払額や標準報酬月額を明確にするなど、仕組みの部分からも改善を行う姿勢を示した。

 長妻議員は、野党の資料要求について自民党国対が、各府省へ対応を相談するように依頼していた問題も取り上げた。政府の役職に入っていない機関に、マスコミ独自の資料要求でも場合によっては知らせることがある点を疑問視。「資料が今まで以上に出てこなくなる懸念を感じる。事前審査制をやめていただきたい」と求めた。

 しかし麻生首相は「議院内閣制のもとでの政府与党の関係を踏まえれば、与党からの依頼で資料要求について情報提供することに特別な問題はない」などと見解を述べるのみだった。

 天下りの問題では、国による「わたり」(2回目の再就職先のあっせん)について首相らを追及。「官民人材交流センター」が設置されても、経過措置である3年間はわたりがとまらない可能性を指摘し、年間予算10億円の税金を使うことの意味を質した。

 閣議決定された同センターの役割の中に「積極的な求人開拓営業」という文言が含まれることにも触れ、官僚には民間と異なる制度を用意する状況を指摘。「官尊民卑の発想」と断じた。甘利大臣は、官僚について日本の貴重な経営資源であり、情報をきっちり提供して、生活の保障が途切れる期間がないようにしたいと述べ、官僚に対するセーフティネットの側面を強調。首相の答弁は「官僚を身分から職業に変えるのが基本」などとの内容にとどまった。

 長妻議員は、補助金や仕事を政府から得ている企業や団体に、断りきれない天下りあっせんを押し付けかねない制度だと重ねて指摘。「押しつけ型天下り」の廃止を求め、税金の浪費の温床の追及にこれからも取り組む考えを示した。

 このほか「消えた年金記録」の5千万件に関する調査について、国民年金の紙台帳の廃棄命令を出した社会保険庁元長官の参考人招致を求めた。また、後期高齢者医療制度の見直しについて質問した。

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