厚生労働・農林水産部門汚染米実態解明小委員会は6日夕、国会内で合同会議を開き、自民党の国会対策委員会が、民主党から資料要求があった際は事前に自民党側に相談するよう全省庁に求め、省庁側では内部文書で指示が出ていた問題をめぐり、内閣官房、厚生労働省、農林水産省に対し、ヒアリングを行った。
最初に挨拶に立った筒井信隆『次の内閣』ネクスト農林水産大臣は、この問題については同日行われた衆議院予算委員会でも取り上げられ、内容の訂正もなされたことに言及しつつも、「そもそもああいう書類を出す感覚自体が問題」だとして、自民党国対からの指示を臆面もなく配ること自体がそもそも間違いだと断じた。
「与党と省庁との関係と、野党と省庁との関係はちがいがあると思う」との認識を示しつつも筒井ネクスト農水相は、各議員、議会の調査権は明確に保証しなければならないものであり、今回の問題はそれを侵すものだと語った。
続いて山井和則ネクスト厚生労働副大臣は、衆議院予算委員会の答弁では、やりとりされる書類の分量をはかるためとの答弁が繰り返された点について取り上げ、「それならば事後の対応でいいはず」と指摘。事前に自民党国対に報告する必要はなく、やり取り後に提示すれば済む問題であるとした。
事前の提示をあくまで求めている点について山井ネクスト厚労副相は「明らかに検閲だ」と述べ、こうしたうその理由付けが国民に理解されるとは思えないと語った。
また、3日に厚労省が明らかにした約144万件の年金改ざんについて、自ら組織した調査チームが明らかにしたものだと、同じく予算委員会で舛添厚生労働大臣が答弁した点についても問題視。本来、この数字は民主党の厚生労働部門が再三にわたって資料請求を繰り返してきたことで明らかになったものであることを改めて説明し、厚労相のこの答弁に象徴されるように、今後、自民党国対への事前報告がなされるようになると、民主党の実績が自民党に横取りされる可能性もあるとした。
司会進行をつとめた主濱了参議院議員は「事前検閲は野党の調査線上非常に問題」との認識を示すとともに、国民の知る権利上大いに問題があるとして、陳謝と中止の明示を求めた。
ヒアリングでは、農水省から議院内閣制のもとでは、「政府と与党との関係は特別な関係」「野党と政府の関係は違って」などとして、筒井ネクスト農水相が指摘する「違い」ではなく「特別」とする回答が示され、一方で資料請求の権限が自民党に妨げられるようになることはないと何ら根拠もないままに強弁。あくまでも資料要求に対するルールづくりのための調査だと繰り返した。
また、資料要求に対するルールづくりのための調査であるなら、すでに十分調査が行われたはずであるから、事前チェックは現時点で取りやめるべきと出席議員が指摘したが、省庁側は回答を回避。中止しろとの指示は自民党からまだないなどとして、継続していく考えを明らかに
「政府と与党は一体であるという前提のなかで国会は運営されている」と農水省側は重ねて主張し、「野党の調査権を侵害する形で維持したらだめだ」との筒井ネクスト農水相の指摘にも応じる姿勢は最後まで見せなかった。
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