筒井信隆『次の内閣』ネクスト農林水産大臣は7日午前、衆議院予算委員会で質問に立ち、汚染米の不正転用問題をめぐり農水省のずさんな検査体制、政官業の癒着、農水行政の無作為などを指摘。国民の食の安全への信頼を揺るがす問題について石破農林水産大臣および麻生首相に見解を質した。
筒井議員は、三笠フーズの汚染米不正転売問題について「犯罪行為の当事者は業者であるがその体制をつくった一義的責任は農水省・政府にある」として、非食用米を容易に転用できる体制を何故作ったのかと追及。輸入時点で農薬・カビ毒汚染米をなぜ返品・焼却処方針としなかったか、輸入後の汚染米を焼却処分にしなかったか、と質問した。
石破農水相は政府、農水省の責任であると認めたうえで、厚生労働省の輸入検疫では品質上問題のあった米について商社が積戻し、廃棄、非食用に転用、のいずれかを選択するシステムをとっていると説明。商社としてはコスト面から多くは非食用として輸入していたが、今回の事件を踏まえ、今後は返品・焼却処分する方針で臨むと述べた。
これに対して筒井議員は、「国民の健康と安全よりもコストを優先した最たる例である」と指弾。農水省では、カドミウムなど有害物質に汚染されたコメ等は粉砕して、着色して食用に回らないように処理して販売しているにも係らず、汚染米は何故着色しなかったかとさらに追及すると、着色もコストがかかるため、汚染米を食用に回してもいい水漏れ、袋破れ米の延長と考え対応しなかたことが判明。危機意識がなかったことに、食の安全の管理機関としての深い反省を求めると、麻生首相は、「基本的に業者が最も悪いが管理できない農水省が2番目に悪い」と述べ、消費者の側に立った行政となるようにすべきであるとした。
次に、三笠フーズだけで96回の立会い調査をし、内部告発後も5回の調査をしながらなぜ見逃したか、事前通告したうえで作業の一部しか見ていない検査実態にいて「八百長検査」であると批判。石破農水相は、実効性のある検査を確保するためには事前通告事態は悪くないが、検査マニュアルがないこと、在庫の確認をしていないことなどを挙げ、真摯さ、誠実さが欠けているとの認識を明示、徹底的に検証し国民の皆さんに襟を正したいとした。さらに、政官業の癒着の関係にも言及、関係職員の処分は本庁に至るまで厳正に行い組織全体を改革しなければならないとして、期限を設け成案を出すと明言した。
最後に、農水省は再発防止のため、米のトレーサビリティ(原料原産地表示の義務付け)について「11月中に新制度の骨組をまとめる」方針を示しているが、なぜ通常国会で民主党が提出済みの食の安全・安心対策関連法案に賛成しなかったかと質し、米だけに限定せずにトレーサビリティ(原料原産地表示)の義務付けをするよう主張、民主党案への理解を求めて質問を終えた。
|