民主党政策調査会長
直 嶋 正 行
本日未明、米国は、北朝鮮との間で核検証手続きに合意したとして、北朝鮮に対するテロ支援国家指定の解除に踏み切った。申告されていない施設への立ち入り方法、核兵器の製造・実験、ウラン濃縮、核拡散の情報などについては不明な部分もあり、これまでの北朝鮮の行動からすると、しっかりとした検証ができるのかという疑念を払拭できない。
わが国にとって、北朝鮮の核・ミサイルは直接的な脅威であり、日本を始めとした関係各国は、北朝鮮がこの合意を誠実に履行するのか、厳しく監視すべきである。一方で、拉致問題は、国家主権の侵害のみならず、人道上の重大問題である。米国は拉致問題を忘れないと強調しているが、この決定に対し、拉致被害者のご家族のお気持ちを思うと、国民として失望を禁じ得ない。
日本政府は、米国が指定解除の手続きに入ってからも、指定解除を止めることはできなかったばかりか、福田前総理の政権放り出しによって、北朝鮮に約束させていた拉致問題の再調査さえも延期を通告されるなど、北朝鮮に格好の口実を与えてしまった。
政府は、米国頼みの外交姿勢を猛省し、今後もあらゆる場を通じて、わが国の主張を訴えていく努力を継続しなければならない。また、北朝鮮に対しては、拉致問題の解決に向けた具体的な行動をとらない限り、制裁解除や経済支援は行わないという毅然とした態度を貫くべきである。
以 上
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