福田えりこ・長崎県第2区総支部長の事務所開きが11日、長崎県諫早市で行われ、新人女性候補を支援する民主党「女性キャラバン」の神本美恵子、森ゆうこ、谷岡郁子、大河原雅子、吉川沙織の5名の参議院議員が駆けつけ、福田さんを激励。共に商店街を練り歩き、2カ所の街頭でも演説した。
午前11時からの事務所開きには、地元長崎県連代表の高木義明衆議院議員や県選出の犬塚直史、大久保潔重両参議院議員に加えて、直嶋正行政策調査会長と、家西悟参議院副会長も出席。事務所前の広場には約200人の支援者が詰めかけた他、マスコミのカメラの放列が並ぶなど、福田さんの挑戦への関心の高さが伺えた。
激励の挨拶にたった直嶋政調会長は、「命を救うお金は出さないのに、天下りをさせるお金は出すのが今の政治だ。官僚や自公政権が財源がないと言っているのは、今のシステムを維持しようとしているからだ。私たちは命を救う政治を実現させるため、その仕組みを変え、予算を根本から変えていく」と表明。
壇上に立った福田さんは、20歳でC型肝炎への感染を知り、22歳から薬害肝炎九州訴訟原告団に加わって活動してきた経緯にふれ、「薬害を根絶するためには、それを生み出す根源を直さない限り、同じような悲劇が繰り返されると思い、その立場から声を上げ始めた」と自らの姿勢を説明。「国は私たちの命、夢、希望を守るはずなのに、実際は一部の人間の利益のための政治を行っている。そのために行政の犠牲者が生み出されるのは許せない」と、今の政治と行政のあり方を批判した。
福田さんはまた、「政治家の後ろに官僚が二人羽織になって、法案をつくって、答弁を考えて、予算をつけて、コントロールしている。だから物事が解決しないし、何か起きてもだれも責任を取らない」との見解を述べ、「社会との戦いが一段落し、これからはおだやかに生きたいと思っていたが、多くの人たちの苦しみを知って、自分だけが楽になっていいのかと思った」と総支部長として政治活動を展開することを決断した理由を語った。
「これからの未来の命をつなぐことが私の使命だ。すべての人たちが、元気があって幸せに生きられるよう、いろんな方たちと力を合わせて、いい社会をつくっていけるように精いっぱい頑張りたい」と力強く表明し、大きな拍手をあびた。
最後に、薬害エイズの被害者である家西参議院議員が自身の経験を紹介。「私も12年前に同じ立場から政治を志したが、『被害者というだけで何ができるのか』との批判を受けた。しかし、今のような政治と経済の状況で、真っ先に片隅に追いやられる弱者に政治の目をむけるには、当事者が代弁者になる必要がある。被害者でなければできないこと被害者だからこそ言えること、できることを政治のど真ん中で訴え、長崎を、日本を、世界を変えていく原動力になろう」と声を張り上げ、ガンバロー3唱のリードをとって、福田さんを激励した。
このあと、福田さんと女性キャラバンは諫早中央商店街に向かい、諫早出身の大久保議員がアーケード街の一軒一軒を福田さんとともに訪問。キャラバンの議員たちは練り歩きの先頭で交代にマイクを持ち、チラシを配ったり、買い物客に話しかけるなどして、民主党の政策をピーアールした。
さらに、諫早駅前では大久保、家西、神本、大河原、谷岡、吉川の6名の参議院議員が街頭演説。久山のショッピングセンター前の交差点では、福田さんも加わり、交互にマイクを握りながら、車で通行する人々に手を振り、新たなチャレンジャーの存在を懸命にアピールした。
演説の中で、神本議員は、事務所開きでの福田さんの演説に強い感銘を受けたことを紹介し、「彼女の凛と立つ姿こそが今の国会に求められている。これから旧態依然とした政治を変えよう」と訴えた。
また大河原議員は、「実名を公表して裁判を闘う決意をした福田さんのような若者こそがこの国の仕組みを変えられる。今変えなければ、若者たちにこの国の未来を引き継げない」と語りかけた。谷岡議員は「福田さんはクールで冷静で、物事の裏を見つめられる人。原点を忘れ、特権におぼれる議員が多い中、彼女はまっすぐぶれることなく歩いていける人だ」と紹介。さらに「原爆が長崎に落ちたことはしょうがないと言った政治家がいたが、しょうがないとあきらめたら何も解決しないし、政治はいらない。命をかける覚悟と志がある福田さんに注目してほしい」と訴えかけた。
さらに吉川議員は「政治とは命と暮らしを守ること。小さな身体に熱い思いをこめて活動してきた福田さんの話にぜひ耳を傾けて、ふつうの女性が政治を行っていくことに力を貸してほしい」と呼びかけた。
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