菅直人代表代行は18日夕、埼玉県所沢市の西武線所沢駅前でおのづか勝俊・埼玉県第8区総支部長とともに街頭演説を行い、政権交代で国民の手に政治を取り戻そうと力説。駅前には買い物や野球観戦帰りの人々をはじめ500人近くが集まり、時折「そうだそうだ」「頑張れ」など声援を交えながら熱心に耳を傾けた。
菅代表代行の演説後には聴衆から花束を渡される場面もあり、政権交代に寄せる人々の思いを受け止めた。
おのづか総支部長が2005年のいわゆる郵政選挙から3年、国民の暮らしは良くなったかと問いかけると「騙されたのよ」とすかさず反応する聴衆の声があった。おのづか総支部長は、小泉政権以来の過度な市場万能主義により国民の生活は悪化したと指摘し、「いよいよ終止符を打たなければいけない」と次期衆院総選挙に懸ける決意を表明した。
総支部長となって以来1年4カ月の活動を通じて、政治に翻弄され日々の生活が脅かされている国民の切なる声を受け止めていると述べ、「今の政治を変えてほしい」と握った手を放さないお年寄りのエピソードを紹介。「政治は本当に変わらないのか」と問題提起し、これまで変わらなかったのは長期政権によるものであり、民主党が政権を担えば本当に政治は変えられると政権交代の必要性を強く訴えた。
また、12年間の日本銀行勤務における国会担当としての経験から、自民党の政治家は問題点はわかっていても様々なしがらみの中で現状維持、現状継続しかできないと官僚主導の政治の実態を明示。政権を変えることでお金の配分を変え、「皆さんが払った税金を1円たりともムダにしない、当たり前の政治を実現したい」と主張、政権交代で「国民の生活が第一」の政治を早急に取り戻すとその覚悟を語った。
菅代表代行は、今の自公政権では大臣が官僚の代表であり国民の代表になっていないと批判。かつて厚生大臣当時、国民の立場で薬害エイズ問題に臨み解決に導いたとして、行政の責任を省みず国民に痛みを押し付ける肝炎問題の対応と比較、大臣の意識が変われば政治は変えられると強調した。農林水産省、国土交通省、厚生労働省、社会保険庁など官僚の失敗やごまかしが噴出していることにも言及、一度政権を獲らせてほしいと求めた。
そのうえで「今の政治を変えなければいけない」と重ねて述べると、政治家個人としての評価は別として、自民党の組織の中では政官業の癒着の構造を断ち切ること、官僚のムダ遣いを廃止すること、国民本位の政治を実現することはできず「政治は変わらない」と断言。官僚主導の政治を根本的変えるためには政権交代が必要だとして民主党政権実現に向けて民主党への理解と支援をと訴えた。
なお、街頭演説には埼玉県選出の島田ちやこ参院議員も応援に駆けつけ、「政権交代すれば国は変わる」などと呼びかけた。
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