民主党・無所属クラブを代表して伴野豊議員は21日午後、衆議院本会議で、民主党・新緑風会・日本提出のいわゆるテロ根絶法案について賛成、政府提出の補給支援特措法改正案について反対の立場から討論を行った。
討論に先立ち伴野議員は、8月にアフガニスタンで亡くなったペシャワール会伊藤和也さんのご冥福をお祈りし、「アフガニスタンの復興と平和のためにその身を捧げられたことを忘れない」と哀悼の誠を捧げた。
討論ではまず、旧テロ特措法に基づいて自衛隊が行ってきた6年間の活動の検証において、政府に対し海上自衛隊が給油を行っている日時、場所、燃料の調達先など情報公開を求めたが、政府の資料開示は不十分であったと指摘。活動実態をごまかし、真実を隠ぺいしている疑惑は払拭できず、説明責任は全く果たされていないとその対応を改めて非難した。
油の転用問題についても、政府は自衛艦が給油した米艦船がイラク作戦に参加することはないとする当初の説明から一転、不朽の自由作戦に従事していれば、他の任務を行っていても問題はないとの答弁に変わったことを問題視。失効したテロ対策特措法に基づく補給支援活動と同じ活動を、これに限定して継続するいわゆる補給支援特措法案に民主党が反対してきた経緯を述べた。
今臨時国会での質疑においても、海上自衛隊が補給する対象艦は、テロ対策海上阻止活動の任務を負ってさえいれば、他の任務を負っていても構わないとの政府答弁があり、いずれの艦船に海上自衛隊が補給したかについては、一切情報提供を拒否する姿勢を貫いていると指摘。以上の理由から、民主党は、政府が国民に説明できないような自衛隊の活用を目的とする補給支援特措法は直ちに廃止すべきであると強く訴えた。
そのうえで、民主党はアフガニスタンにおけるテロを根絶していきたいという思いのもと、アフガニスタン国内での和平努力と国家の再建支援、そして人道復興支援に資する法案を提出したと説明。カルザイ政権もようやく交渉による和平実現を目指す努力を始めたことにも触れ、ただ漠然と給油活動を継続するのではなく、真の和平実現のためにアフガニスタンの安定、復興に向けた民生・人道支援を行うことこそが日本の役割だとの考えを表明した。
民主党案は「銃をスコップに」、「油よりも水を」とのコンセプトのもと、灌漑、インフラの整備に重点を置いた内容となっていると主張、民主党案こそが真のアフガニスタンにおけるテロ撲滅にとって最高、最良の案であるとして、議員に対して委員長報告に拘わらず良識ある結論をと求めて討論を締めくくった。
討論・採決の結果、民主党・新緑風会・日本提出のテロ根絶法案が賛成少数で否決、政府提出の補給支援特措法改正案が賛成多数で可決された。
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