藤田幸久議員は22日午前の参議院本会議で、新テロ対策特別措置法改正案への代表質問に立った。
米国による北朝鮮へのテロ支援国家指定解除について、藤田議員は「日本外交の大きな敗北であり、極めて残念」と表明。北朝鮮が核施設を無能力化する見返りとして受け取る重油のうち、日本が拉致問題を理由に支援を延期している分を豪州などが肩代わりする方針だという報道の真偽と、日本外交の対応を質した。
中曽根外務大臣は「報道は承知しているが、拉致問題を含む日朝関係で進展があれば、経済エネルギー支援に参加する用意があるとの立場に変わりはない」と表明。対応については何ら決定されておらず、経済エネルギー支援は引き続き6者会合の枠組みのなかで議論されるとした。
藤田議員はまた、テロ撲滅作戦の名の下に無実の市民を大量に巻き添えにする「ブッシュ大統領による戦争」が行われているという見解を示し、長期の財政的・経済的コストにも言及して、幕引きを図ることこそ日本の責務だとした。
改正案については、給油量の減少理由や補給を受けた外国艦船などの情報開示を質した。河村内閣官房長官は補給相手国艦船名について「今般の国会の関心も高く、衆議院の議論も踏まえ、公表について現在各国政府へ問合せている。その結果を踏まえて適切に対応したい」と答弁した。
さらに、9・11同時多発テロの犠牲になった日本人24名のご家族への支援体制について質問、国外でテロの被害にあった国民を救済する制度の法整備を求めた。河村官房長官は、ご遺族への支援や情報提供を誠実に行っており、今後も可能な限り対応するとした。法整備については「当該テロ事件を指定した特別措置法を迅速に制定することなどの対応が考えられるが、具体的事案に応じた必要な救済措置が検討されるべき」と答えるのみだった。
藤田議員は「ブッシュ大統領の戦争の政治が終焉を迎えている」と主張、テロ犠牲者のご家族やアフガニスタンの無実の市民が真に望む政策の実現を強く訴えた。
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