23日午前の参議院外交防衛委員会で、犬塚直史議員が質問に立ち、武力行使の解釈やソマリア沖の海賊対策について中曽根外務大臣、河村内閣官房長官らの見解を質した。
犬塚議員は「我が国は平和憲法に基づいて60年間、専守防衛というかたちで自衛隊の役割を規定してきたが、ここにきて国際平野協力活動に協力するというかたちになった。どういうかたちで我が国が武力集団を表に出すのかを、あいまいな議論で終わらせてしまっては絶対にいけない」と表明。タリバンの掃討作戦を「警察行為」と言い、武力行使にはあたらないとすることには無理があると指摘し、外相と議論した。
様々な観点から検討する必要があるなどと慎重な姿勢を示すのみで、外相が質問に明確に答えなかったため、質疑は一時中断した。犬塚議員は、警察行為に協力することも武力行使に当たる可能性があるかを確認して政府の答弁の論理破たんを突いた。河村官房長官は、国際法上は武力行使にあたらないとの考えを示したものの、憲法上の解釈については、集団的自衛権の行使に関して我が国独自の立場があること、自衛隊の参加については検討段階にないことなどを挙げて、答えられる状況にないとした。
犬塚議員は、衆議院テロ防止・イラク支援特別委員会で行われた、ソマリア沖の海賊取り締まりをめぐる官房長官の答弁にも言及、あらためて説明を求めた。河村官房長官は、衆院での答弁に言葉が足りなかったと認め、インド洋で海上阻止活動を行っている結果として、日本の商船のエネルギー確保など生命線の確保に寄与しているという意味での発言であるとした。犬塚議員は、シーレーン防衛を理由に武装集団を送るという戦前に戻ったかのような議論ではなく、PKOという中立な原則のあるものをあくまでも押し立てて議論することが必要であるという考えを示して質問を終えた。
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