埼玉県庄和町の精神病院「朝倉病院」が患者の体を違法に拘束するなどしていた問題で、民主党は朝倉病院問題調査チーム(代表:水島広子衆議院議員)をつくり、25日に同病院や県の指導状況について現地調査を行った。参加したのは、水島議員と山井和則、武正公一、細川律夫衆議院議員、桜井充参議院議員と地元県議ら。
調査チームはまず埼玉県庁を訪れ、同病院への県の指導の経緯について説明を受けた。県側は、昨年度までの県による医療監視や実地指導からは、職員数の不足などいくつかの指摘はあるものの、「特に大きな問題のある病院とは認識していなかった」と説明。これに対して、調査チームは「医療監査が機能していない」と監督体制の実効性について疑問を呈した。
続いて、朝倉病院を訪れ、病室の様子を見ながら、患者や看護婦などから聞き取り調査を行った。その結果、数名の患者から「1ヶ月前まで縛られていた」など過去の拘束について聞くことができた。また、医療行為についてもその適正さに疑問な点があることが分かった。
また朝倉院長からも話を聞いた。院長は「報道には私個人としては疑問な点が多々ある」と語ったが、同チームは、「医療行為が正当であるならカルテの内容などの情報を開示し、議論ができるようにするべき」と院長に申し入れた。
調査チームは視察後、埼玉県庁で記者会見し、精神保健指定医でもある水島議員は「最終的には一病院の不祥事にすることなく、きちんとした制度改革に結びつけていかなければならない」と述べた。また、医師の桜井議員は、「社会的入院をなくすと国の施策で言いながら、一方で行く場所がなくて仕方なくこういう病院に集まっているという現状もある」と指摘した。
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