鳩山由紀夫幹事長は24日午後の定例会見で、救急医療体制や厚生年金からの遡及脱退の問題について語った。
脳内出血を起こした妊婦の受け入れ先病院が都内で見つからず、妊婦が死亡した事件については「心からお悔やみを申し上げたい」と表明。日本の救急医療体制が崩壊している実態について「驚きと失望、怒りを禁じえない」と語った。
事実関係を検証した上、再発防止のために救急医療体制の立て直しを求める考えを示し、医師不足や地域医療の再生に党としても全力を挙げたいと語った。党が昨年、救急業務と救急医療の連携および質の向上をめざして提出した救急制度改革法案にも言及。残念ながら廃案になったが、こういった悲惨な事件が起きないような制度を作るためにこれからも励むとした。
厚生年金からの遡及脱退を隠ぺいするために、社会保険事務所でレセプト(診療報酬請求明細書)を抜き取る不正操作が行われていた問題に関しては、まさに組織ぐるみの犯罪だと指摘。厚生労働大臣直属の調査委員会が社保庁全職員から改ざん問題で報告を求めると要請をする方針を示したことについては「厚生労働省、社会保険庁が機能不全に陥っているのではないか」という見方を示した。
「厚生労働大臣であるならば、自らの行政権限の中で調べれば良いものを、自分の部下を調べることができず、外の調査機関に頼むというのは一体何なのだ」と疑問を語った。また、民主党の指摘によって政府の犯罪行為が一つひとつ明るみに出てきているが、政府与党からは何も聞こえてこないとして、「自覚も責任感もない政党だと思わざるを得ない」と批判。
鳩山幹事長は「政権を交代した後、年金の問題、国民の皆さんにとっての将来の安心を確保することが何よりも先だという思いで、全力を挙げて問題解決に努力する」とした。
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