古本伸一郎議員は、29日午前、衆院財務金融委員会で質問に立ち、金融機能強化法改正案の目的である、資本注入による貸出枠拡大が中小零細企業への貸出につながるのかを中心に政府の見解を質した。
古本議員は、冒頭現在の日本の経済の状況について、与謝野経済財政担当大臣が、かつてハチに刺されたようなものと評したことをどう思うかと質した。中川財務・金融担当大臣は、「命にかかわる、クマンバチですか、その状況」とかなり深刻な状況との認識を示した。
さらに、今回の法案の目的は、中小零細企業に融資することにあるが、地方銀行などは貸出先がないとの報道もあるとして、銀行への調査が現行法では、半年に1度となっている点を改め、確実に中小零細企業への貸出となっているかを頻繁に調査すべきであるとして、見解を質した。
中川大臣は、「半年でもさかのぼって調査することもできる」と答えた。
また、古本議員は、1行当たりの上限を設けるかどうかについても、「例えば2兆円の枠として、1行に2兆円もあり得るのか」と質した。中川大臣は、「あり得る」と答えた。
そのうえで、古本議員は、農林中金の問題を質し、海外での資金運用が40%となっていること、融資、投資でかなり、リスクマネーに手を出していることを挙げ、「1行、1社なら1社というのは何となくきな臭い」と、今回の金融機能強化法案が特定の金融機関の救済を対象にしたものではないかとの疑念を示した。
さらに、与党が検討している定額減税が、報道によれば、給付金方式に変わることを指摘し、本当に個人消費を刺激し、結果として法人税も増収になるには、定率減税が望ましい、筋ではないかと見解を質した。中川大臣は、中央公論に寄稿した当時はそう思っていたとしたが、いまは与党の検討を踏まえ、それから政府として検討すると答えた。
この間の低金利政策にも触れ、1991年を起点とすれば、家計が273兆円のマイナス、企業の金利負担減は296兆円のプラスであること指摘した。
最後に、古本議員は住宅ローン減税にも触れ、現在160万円を600万円とするには激変緩和が必要であり、また、税以外の方法による住宅購買の促進も探るべきだとした。中川大臣は、激変緩和については、「ご指摘は承った」と答えた。
|