階猛議員は、29日午後、衆院財務金融委員会で、新銀行東京への資本注入の是非、公的資金投入の際の銀行の経営責任などに関して政府の見解を質した。
また、銀行の自己資本比率規制、7%以上は銀行の健全性を高めるためのものだが、却って自己資本比率規制が簿外取引などを生み、健全性を阻害し、今回のような金融危機を招いている原因の一つではないかとして、廃止を含めて見直しを検討すべきではないかと提言した。中川財務相(金融担当大臣兼務)との議論は平行線に終わった。
階議員は、経営責任とは何かについても質問。現行法(金融機能強化法、3月で公的資金の申請期限切れ。今回審議されているのはこれを復活・修正するもの)では、代表取締役の退任となっていることを確認し、中川大臣の「責任にはいろいろある。イコール退任ではない」とする答弁を問題だとした。また、責任の取り方を段階的に規定した早期健全化法の方が、申請もしやすく、法の目的にかなうのではないかと提案した。中川大臣は、「責任は一律には問わない。外からみて分かりやすくしたい」と答えた。
階議員は、新銀行東京の経営状況に触れ、今回の法の目的からして新銀行東京には資本注入はできないのではないか、と質問。個別の仮定のことには答えられないとしたものの、谷本財務副大臣は制度的にはあり得ると答えた。
さらに、大株主である東京都の関係者、都知事、政治家が融資の口利きをした問題について、責任を追及。中川大臣は、「一般論としては、株主は経営に権利も責任もある」と答えた。
また、今回の法の目的に照らして、中小零細企業への融資、貸出が増えるように制度的に担保すべきではないかと提言した。
最後に、円高に関して外為特別会計でのリスク管理を徹底するよう求めた。中川大臣は、「外為に限らず必要」と答えた。
|