トップ > ニュース
ニュース
ニュース
2000/11/01
<党首討論>中川前長官の捜査情報漏えい、調査せよ〜鳩山代表が森首相に迫る
記事を印刷する

民主党の鳩山由紀夫代表は1日、先週に続いて行われた今国会2回目の党首討論で、中川前官房長官に対する首相の任命責任と、北朝鮮とのコメ支援密約問題に焦点を絞って森首相に論戦を挑んだ。

 鳩山代表は「中川前長官は衆院内閣委員会で知人の女性に捜査情報について電話したことはないと答弁したが、その夜録音テープが公開されると突然辞任し、記者会見で事実を認めた。国会での虚偽答弁は犯罪行為だ」と述べ、捜査情報漏えい疑惑や右翼団体幹部との交際問題をめぐる中川前官房長官の国会答弁の矛盾点をあげて、森首相の認識をただした。

これに対し首相は、「結果として、答弁も正確さを欠いていたことは否めない」と遠回しな表現で中川氏の非は認めたものの、あとは「うそか真実か、本人が調べて名誉回復することをのぞむ」「私自身はテープを聴いていないので、断定したことを申し上げることは適当でない」との逃げ口上に終始した。

 鳩山代表が「中川前長官が首相補佐を務めていた当時に、知人に警察が覚醒剤の捜査で動いているから気を付けろと電話している。これは事実として認めている。警察情報を収集して漏らしている。官邸にいたからこそ知り得たこととしか思えない」とさらに追及すると、森首相は「私はそう聴いていない。中川議員が調査して釈明すると思う」などと繰り返すばかり。

「総理の任命責任は重い。総理自らの手で真相解明をすべきだ」と鳩山代表が攻め立てると、森首相はいらつきを隠せず「どうして断定できるのか。政治家にも人権がある」などと述べ、さらに、「警察に操作を指示することは首相として絶対できない」などと論点を取り違えたような、筋違いの強弁をした。

 また、鳩山代表は97年の与党訪朝団が北朝鮮との間にコメ50万トン支援の密約を交わしたとの話に触れ、「総理の個人プレーが結果としていかに国益を損なっているか、あなたは全然おわかりになっていない」として、「密約があった」と認めている自民党の野中幹事長(訪朝団のメンバー)との発言の違いをただした。

森首相はこれについて「密約は全くない。3党の人たちからそれぞれ歴史認識、コメ、拉致疑惑などいろいろな議論をされたので、ここの議論の中でコメの問題が出たことは充分にある。野中さんも拉致問題を中心になって話していた中で、そのような希望が相手側から出たと言うことだ」と弁明。

鳩山代表はこれに対し、「コメ支援の話が今回の日朝国交正常化交渉で国益を損じた。交渉の中で何ら見返りがとれなかった。ブレア首相への軽はずみな発言、親書を送ったという話など、あなたの稚拙な外交で国益を損なったことを改めて指摘する」と述べて、討論を終えた。

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.