与党の強引な国会運営が続くこの国会で、またしても与党の一方的な採決強行が健康保険法改正案と医療法改正案を一括審議していた1日の衆院厚生委員会で行われた。
委員会では、野党の質問が終わった時点で、与党側が審議打ち切りを求める動議を提出。野党側は、「審議が不十分」として委員長席に詰め寄り抗議した。騒然として委員長の議事が全く聞き取れないまま、与党側は一方的に採決が終了したとして退席した。
衆院厚生委の野党理事はこの後国会内で記者会見。民主党の金田誠一議員は「修正や譲歩ができるかと話し合ったが歩み寄りできる状況でなかったのが残念だ」と強調した。
この改正案は、高齢者(70歳以上)の医療費負担を現行の定額制から定率制に変更することなどを柱とした内容。現行の通院一回530円、入院一日1200円の定額制を、一律1割負担の定率制に変えようというもの。その結果、高齢者の平均的なケースを見ると、通院の場合1537円から2340円に、入院の場合2万5200円から3万7200円に約1.5倍の負担増になる。
民主党は、改正案は(1)「改革なき負担増」である(2)薬剤費別途負担の高齢者のみの廃止には合理的根拠がない(3)高額療養費の上限額のあり方に矛盾がある-――などを理由に改正案に強く反対している。
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