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2008/11/06
麻生内閣は有言不実行内閣。言葉だけが踊っているが何も進まない 会見で菅代行
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 菅直人代表代行は6日、党本部で定例会見を行い、民主党のオバマ氏の米大統領選での勝利、ペシャワール会の中村哲医師のアフガニスタン情勢に対する見解、麻生首相の政治姿勢等に関して、自らの見方を語った。

 冒頭、オバマ氏勝利について取り上げた菅代表代行は、初めての黒人大統領誕生について、「アメリカという国はいろんな問題点はあるが、いろんな意味で、民主主義的な活力がまだまだ生きているという感想をもった」と語った。オバマ氏に対して心からの祝意を述べるとともに、「そうした活力をしっかりと日本のなかに実現していきたいと思う」と述べ、民主党による政権交代に改めて意欲を見せた。

 同時に、現在の日本の政治について「事実上、政治そのものが機能しない状態になっている」と指摘。米国の場合、8年前のイラク戦争をはじめ、暴走する資本主義を放置したことによる大きな失敗を失敗と認めたなかで、新しい方向を打ち出したオバマ氏を大統領に選んだと分析。他方、日本の場合はイラク戦争に根拠もなく参加した小泉政権後、自民党政権が一度として国民に信を問わないままに続いている点を問題だとし、「続いているからこそ、何も変わらないどころか物事が動かなくなっている」と断じた。

 その上で菅代表代行は、「そういった意味で大きな大局観に立って、国内外の方向性を示して実行できる、そういう政治体制を日本にもう一度つくらなければならないと改めて感じている」と述べた。

 麻生首相の政治姿勢については、10月30日に経済対策と選挙先送りの記者会見を行って以降、「これからどうするかということについて、大きな方向性が何一つ示されていない」と指摘。経済政策に盛り込まれた定額減税や、生活支援の定額給付金などに関して、どういう範囲でいつ実行するかについていまだ明確にされていないとして、「不言実行という言葉はあるが、麻生さんの場合は有言不実行内閣。言葉だけが踊っているが何も進まない」と批判した。

 また、5日の参議院外交防衛委員会の参考人質疑や、その後、憲政記念館で行われた懇談会で発言したペシャワール会の中村哲医師の話にふれ、「まさにこの人の場合は有言実行。しっかり自らの体を現場において実行されている。その発言は非常に重いと改めて思った」と表明。その上で、中村医師の発言を踏まえ、「従来から言われていることだが、アフガニスタンの米軍による長い戦闘によって、結果として状況を改善させるどころか悪い方向になっている。武力攻撃がそうした逆の効果をあげている例がこの間多かった。そういった意味では、原点というか、物の本質に遡って、こうした国々、あるいは地域における活動のあり方をもう一度改めて考えなければならないと感じている」と述べ、アフガニスタン支援のあり方を再考すべきとの見解を示した。

 さらに、政府の地方分権改革推進委員会委員長と会談した麻生首相が、国の出先機関である農林水産省地方農政局と国土交通省地方整備局について「廃止を含めた業務の地方への大幅移譲」を検討するよう指示した問題に菅代表代行はふれ、「わが党が強く主張しているところなので、きちんと実行するということであれば大いに結構だが、これまた有言不実行になるのではないか」と釘を刺した。そのうえで、実行すると言っているだけでは物事は変わらないと指摘するとともに、「本当にやる気ならば、まず国民に信を問うて、国民に選ばれた総理大臣にならない限りは、こういった活動は言っても実行できない、それは火を見るよりも明らかだ」と断じた。

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