民主党『次の内閣』は24日午後、国会内で閣議を開催し、民主党が提出もしくは提出を予定している日本国教育基本法案、国民投票法案、天下り規制法案、随意契約等透明化法案などについて活発な議論を展開したほか、緊急事態基本法制定をめぐる動きについても報告・協議を行った。
冒頭、菅直人ネクスト副総理大臣(代表代行)が挨拶に立ち、各地の社会保険事務所が不正な納付免除を行った問題に言及。その欺瞞を厳しく批判した上で、「小泉行政改革・構造改革の、ある意味の象徴だ」と厳しく指摘した。そして、社会保険庁長官に民間人である村瀬氏を登用してみたものの、改革ができていると見せるために、「インチキなデータによってそれを実現したかのように見せる」やり方では、役所のやり方に染まっているだけだとして、社会保険庁を廃止するとの方針を掲げるわが党の考えの実現に向け、「しっかりがんばっていただきたい」などと呼びかけた。
続いて鳩山由紀夫ネクスト国務大臣(幹事長)からは、主に教育基本法に関する議論について報告があったほか、松本剛明ネクスト官房長官(政策調査会長)、荒井聰国会対策委員長代理からもそれぞれ報告が行われた。
「日本国教育基本法案」については、教育基本問題調査会での議論も含め、同調査会長の鳩山ネクスト国務相と同調査会事務局長の鈴木寛ネクスト文部科学大臣から、条文の確認と国会提出の報告が行われた。また、審議においては教育現場の声を聴取しながら進めていくよう求めていくこと等も確認された。
緊急事態基本法(仮称)の係る経緯については、松本ネクスト官房長官から、基本法の必要性について、また、法案を政府案として提出させることを与党と何度も文章を取り交わし確認しているにも関わらず、政府が法制化は必要ないとの回答を寄せてきたことについて説明。この公党間の約束を反故にしようとする暴挙への今後の対応については、松本ネクスト官房長官と国対に一任された。
条約刑法(共謀罪)の修正協議については、千葉景子ネクスト法務大臣から状況説明を受けた。また、枝野幸男党憲法調査会長からは、民主党議員立法の「日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案」について説明が行われた。大綱については先の『次の内閣』で確認を終えており、内容について改めて確認を行うとともに、週末にも与党案が提出された場合には間髪を入れずに提出することも了承した。
「国家公務員の離職後の就職に係る制限の強化その他退職管理の適正化のための国家公務員法等の一部を改正する法律案」、「特殊法人等の役職員の関係営利企業への就職の制限に関する法律案」(天下り規制法案)と、「国が行う契約の過程及び内容の確保等による契約事務の適正化を図るための会計法の一部を改正する法律案」(随意契約等透明化法案)については、松井孝治政策調査会副会長から説明があり、内容を再確認し参議院提出を了承した
「建築物の安全性の確保を図るための建築基準法等の一部を改正する法律案」(閣法)については、長妻昭ネクスト国土交通大臣から説明があり、わが党としては既に対案を示しており、耐震偽装問題の対策としても不十分であることから、反対を決定した。
「ねんきん事業機構法案」、「国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案」、「地方自治法第156条4項の規定に基づき、社会保険事務所の設置に関し承認を求めるの件」については、仙谷由人ネクスト厚生労働大臣から説明が行われた。この中では、年金一元化を含む抜本改革が必要であるにも関わらず、政府案は看板の付け替えのみであること、発覚した社会保険事務所の不正納付免除問題も含めた議論も必要であること、国民保険料納付率の大幅改善は疑問であることなどから、反対することを決定した。
自殺対策推進基本法案(超党派議員立法)についても仙谷ネクスト厚労相より、自殺の背景に社会的要因があることを踏まえて、国・地方自治体のみならず諸機関などが連携して対策に取り組むことなどの内容について説明が行われた。議論の結果、条文の一部修正を行う方向で調整することを仙谷ネクスト厚労相に一任し、また、自殺問題に関してはその最大原因はこれまでの自公政権の失政であるとの基本スタンスに立つことを再確認し、閣議として「賛成」をすることとした。
民主党提出の「金融商品取引監視委員会設置法案」については、櫻井充ネクスト金融担当大臣から、2月に「証券取引委員会設置法案」法案を衆議院に提出した後、委員会での閣法審議の過程で、対象商品に金融先物を含んでいない等の問題点が明らかになったことから、同法案をバージョンアップしたものとして参議院に提出する旨の報告が行われ、了承された。
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