参議院外交防衛委員会は11日午前、政府見解と異なる立場の論文をあらわした田母神・前防衛省航空幕僚長を参考人に招致し、質疑を行った。民主党・新緑風会・国民新・日本からは、浅尾慶一郎、犬塚直史議員が質問した。
北澤俊美委員長が冒頭に発言し、「参考人の論文をめぐる問題を期に、我が国の文民統制に対する国民の懸念が高まり、そのあり方が問われる事態となっている」と表明。
国民の代表機関たる国会の場で、政府に対しこの問題を質す一環として招致したものであり、決して参考人の個人的見解を表明する場ではないと指摘し、参考人に簡潔な答弁を要請した。
また「制服組のトップが、自衛隊の最高指揮監督権を有する内閣総理大臣の方針に反したことを公表するという驚愕の事案であり、政府・防衛省で文民統制が機能していない証だ」という見解を示した。
北澤委員長は「昭和の時代に文民統制が機能しなかった結果、三百数十万人の尊い人命が失われ、国家が存亡の淵に立たされたことは忘れてならない」と表明、政府の方針に従わない軍人の出現とそれを統制できなかった政府・議会の弱体化が、最初の一歩であったとした。
その上で、文民統制の最後の砦として期待され、国民の付託を受けた国会として、後世の歴史の検証に堪えうる質疑を行いたいと質疑者と答弁者に求めた。
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