簗瀬進参院国会対策委員長は12日、国会内で定例会見を行い、同日、参院外交防衛委員会の理事懇談会で協議した結果、新テロ対策特別措置法改正案について、13日に麻生首相出席のもとで、法案および文民統制に関する質疑が行われることになったと報告。また、来週18日に、同委員会で締めくくり総括質疑と採決を行うことで合意したことを明らかにした。
簗瀬委員長はさらに、今国会中にシビリアンコントロールに関する集中審議を行うことになったと説明。最終的にどういう形での質疑となるかについては「今後、現場の筆頭理事を中心にしてつめていただくことになる」と語った。
今後の臨時国会日程については、「30本以上の法案があるが、全部に着手する時間的な余裕はないと思う」との認識を示したうえで、衆議院の安住淳国対委員長代理とも共通認識を得た方向性を踏まえ、「6本ぐらいを処理するのが限度かと思う」と表明。北朝鮮関係の法案2本に加え、銃刀法改正案、児童福祉法改正案、労働基準法改正案、国籍法改正案などを列挙した。
さらに、定額給付金についても言及。「国民の税金を与党がみんなに与えるようなイメージを持っているということで、ずいぶん前から給付法という法律自体の名称がおかしいと発言してきた」と述べた。「長期政権についていると、いつしか国民の税金をあたかも自分の財産を処分でもするような錯覚に陥ってしまう、その恐ろしい惰性が定額給付だ。『給』という言葉にそれが露骨に出ている」として、まず法案の名称自体が問題だとした。
同時に、「法律をつくる際に一番の基本は公平性なので、そのために明瞭な基準がなくてはいけない」と指摘したうえで、ところが定額給付については、権利として与えるが行使するのは国民の自由だとし、高額所得者に至っては自己判断によって辞退を求めている点について簗瀬委員長は疑問を呈し、「こんな制度設計の法律は、制度として成り立たない」と改めて批判。合わせて「国民の税金を使いながら不明確な基準のなかで権利行使をするかしないかを国民に委ねてしまう考え方は非常に問題」と語った。
また、その取り組みについて市町村に委ねている点をあわせて問題視し、自治体によって差が出ることになり、公平性の確保が非常にわかりづらく、制度として機能しないと述べた。
さらに、給付を辞退させた場合、その辞退分の給付金は自治体の取り分としていいと定められている点について「ヘンなインセンティブの与え方をしている」と語り、自治体任せのやり方で各自治体間の公平性は最初から放棄された、つくってはならない制度だと断じ、「たいへんな悪例を残すことになる」と批判した。
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