小沢一郎代表は17日夜、麻生首相との党首会談を踏まえ、党本部で記者団の質問に答えた。
会談では始めに麻生首相に対し、小泉首相の退陣以来、選挙を経ずに誕生した3人目の総理大臣であることについて、民主主義のルール、憲政の常道から考えればおかしいと指摘。内閣が変わったときは総選挙で国民の信を問うべきであり、国民の審判を得て国民の支持を背景にした内閣でなければ思い切った政策を実行できないと主張したと明かした。
そのうえで、麻生首相が就任当初は解散・総選挙を決意しながら金融危機を前に「選挙より経済、景気対策」と路線を変更、総選挙を先送りしたにもかかわらず、現実には景気対策の裏づけとなる第2次補正予算案の提案、提出がない点について、当初の麻生首相の論理から言えば筋道がおかしいとその矛盾を批判。迅速に対応すべきと強く主張し、早期の提出を求めたことを説明した。
党首会談に関しては、山岡賢次国会対策委員長を通じて先週来から開催を求め、本日に至ったと経緯を報告。「選挙より経済、景気対策」と主張しながら、一向に第2補正予算案が提出されないことを強く指摘し、早期の提出を迫ったが、今国会での提出に関して明言を避ける麻生首相に対して小沢代表は、「予算編成は20、30日あればできる。できないというなら財務省の役人を連れてくるように」とも迫ったことを明らかにした。
小沢代表は「選挙より経済、景気対策」との麻生首相の主張は、国民の皆さんに対する公約であると指摘。「実行しようとしないことは非常に遺憾であり、理解できない」とし、改めて公約を守るべきと強調した。
今後の国会対応に関しては、予算案の提案権は政府にあると主張したうえで、「内閣が提出する時点まで審議拒否はしないが、他の野党とも協議したうえで問題のある法案については十分な審議を求めていく」との方針を示した。
また、第2次補正予算案に関しては、国会に提出された時点で可及的速やかに処理すると明言。「常識的な予算案が提出されれば審議をし、国会としての結論を得ることを代表の責任をもって約束する」と伝えたとした。
国民との約束である経済対策を反古にした場合の対応については「今は考えていない」と回答。良識ある首相であるならば履行するだろうとの期待感を示し、今国会期中の提出を最大限に求める考えを改めて表明した。
なお、鳩山由紀夫幹事長、山岡国会対策委員長、奥村展三衆院議員が同席した。
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