鳩山由紀夫幹事長は21日午後、党本部で定例会見を行い、日常茶飯事のように連日失言が繰り返される麻生首相を前に、野党という立場にいることが甚だ残念であるとの思いを強くすると語った。
「麻生総理が『政局よりも政策だ』『選挙よりも景気対策だ』と言いながら総理のあまりにも軽い言葉が、国民の皆さんに政治への信頼を失わせてしまっている」と述べた鳩山幹事長は、道路特定財源の一般財源化に伴う1兆円の交付税化発言や日本郵政グループ各社の株式売却凍結発言、医師に対する批判の言葉などを列挙。「失言、朝令暮改が続きすぎている」と批判するとともに、「バーに行くのもいいが、二日酔い運転は困る」と苦言を呈し、国民の皆さんは釈明などを行わない、毅然とした総理を求めていると指摘。そのうえで、日常茶飯事のように失言が繰り返されている事態を受けて、「現在、野党という立場にいることが、甚だ残念で、切歯扼腕(せっしやくわん)の思いである」と述べた。
続いて17日に党首会談を行い、小沢一郎代表が麻生首相に対し、第二次補正予算案の提出を強く求めたことに言及。「景気対策と言うならば補正予算を出しなさい」と強く主張したことを明かした鳩山幹事長は、迅速に経済対策を打つといいながら何も打てないのは国民に対する公約違反であると改めて指摘。また、麻生首相のこれまでの方針についても「一次補正も二次補正も年末の税制改革で財源を示す、税制改革は中期プログラムで示すと逃げてきたが、その税制改革はどうなるのか。6兆円も税収に穴が開くなかで、果たして税制改革を行って財源を見出していけるとは思えない。すでにこの議論も破綻している」と断じた。
党首会談時に小沢代表が強く訴えた通り、きびしい年越しを迎える国民のみなさんが多い中、「政局よりも政策」だと主張する以上、一日も早く第二次補正予算案を提出し、少しでも国民の皆さんに安心を与えてほしいとの意向を強く示した。
同時に、第二次補正予算案について25日には答えを出すという動きがある一方、提出は見送るとの推測もなされている点について「総理がきわめて混乱している状態で、政府与党のなかからも公然と批判が起きている。内閣も支離滅裂であれば、与党もまさに支離滅裂、閣内不統一極まれりという状況で、麻生政権は政権発足間もないが末期症状を呈している」と指摘した。そのうえで、「思いつきの朝令暮改が繰り返されるのであれば、何もできない責任をとって、早く国民の皆さんの信を問うべきだと改めて申し上げておく」と語った。
さらに、国会同意人事において、公正取引委員として名前があがっていた上杉氏が、経歴詐称などがあったことが判明し、衆参の本会議への上程直前に政府から取り下げの申し出があったことに、「政府の大失態である」と批判。いかに、政府与党が無責任であるか、極めていい加減な人事を行おうとしていたかを如実に物語るものであると指摘した。
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