鳩山由紀夫幹事長は22日夜、「政権交代を熊本から」と題してごとう英友・熊本県第3区総支部長が熊本県大津町で開催した時局講演会で講演した。会場は二重三重に立ち見が出るほどの大盛況で、鳩山幹事長の「今こそ政権を変えよう」との訴えに、賛同の拍手と「そうだ」の声が会場を包んだ。
「みなさんのふるさとの名山・阿蘇山はすばらしいが麻生さんは困った存在」として会場の笑いを呼んだ鳩山幹事長は、麻生内閣が国民のみなさんの感覚とずれていることにびっくりすると指摘。政権を官僚に丸投げし、自分のポストを守ることだけに汲汲とする政治が行われている現状に憂慮を示した。
その代表的な事例として、「財政難である」→「医療費を削減しなくれはならない」→「高齢者の医療費を抑制しよう」という財務省主導の論理で行われた後期高齢者医療制度があることを明らかにし、年齢によって差別するとんでもない制度だと解説。こうして国民には負担を増やし、歓迎できない制度ができあがっていく一方で、官僚のムダ遣いが横行しているのが日本の政治の実態であるとして、「政治を官僚の手から国民に取り戻さなければならない。今こそ政権交代を果たさなければならない」と力説した。
鳩山幹事長はまた、「選挙より政策」と訴え、解散・総選挙を先送りした麻生首相が、景気対策に直結するはずの第2次補正予算案の提出までも先送りしている現状にも言及し、この国をどうしていこうとするのか、方向性が見出せない状況にあると断じた。
定額給付金の問題にもふれ、2兆円もの予算が出せるのであれば、民主党が主張する子ども手当の創設や、医療や年金制度の拡充など、将来的な視点に立ったセーフティネットの整備にこそ、国の予算を投じていくべき対象だと主張。まさに選挙目当てのばらまきともいえる、政治をどうしたいかという哲学のない、その場しのぎの定額給付金では、国民の安心・安全なくらしは確立しないと分析した。
「しかし、国民の皆さんは麻生総理よりも賢明だった。6割の方がこの制度に反対している。それを聞いて救われた思いがした」と鳩山幹事長は語るとともに、この定額給付金をはじめ、道路特定財源の一般財源化に伴う地方への1兆円の配分問題など、閣内の意見がまとまらず、まさに閣内不一致の状況にある点も指摘。二転三転する麻生首相の発言について「言うことがくるくる変わる、こんなに言葉が軽い総理を今までに見たことがない」と批判し、信頼できる言葉をもった小沢首相の誕生を何としても果たさなければならないと表明。「民主党のためでも、小沢代表のためでも、鳩山のためでもなく、国民みなさんのお暮らしを変えていくために、政治を変えていかなくてはならない」と訴えた。
ごとう総支部長はその先頭となって、政治を立て直していくために力をつくしていくと力強く表明した。
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