党地球温暖化対策本部は25日午後、国会内で会議を開き、駐日英国大使館のデーヴィット・フィトン氏を招いて、英国政府の「気候変動法案」についてヒアリングを行った。
冒頭、福山哲郎政調会長代理(同本部事務総長)が挨拶に立ち、地球温暖化対策基本法案の再提出を視野に入れ、再生可能エネルギーのあり方、地球温暖化対策税などを今後の協議内容とすることを述べた。
さらにCOP14が12月からポーランドで行われることや都内でエコプロダクツ2008が開催され、CO2削減に向けた新たな技術や製品などが展示されることからも、それらの動向も踏まえて、今後の議論としていく方針を語った。
次にフィルトン氏から、19日に英国議会庶民院と貴族院両院で通過し、28日にも成立する予定の「気候変動法案」についてヒアリングを行った。
「気候変動法案」はCO2を削減し、英国のエネルギー安全保障を確実なものにするため、「エネルギー法案」と「プランニング法案」と合わせた3つの主要の法案の一つであると説明。
同法案ついてフィルトン氏は、英国内のCO2排出を管理し、低炭素経済への移行を促進することと、世界のCO2排出を削減するため、国際的にも強いリーダーシップをとることを明確にするものと趣旨を語った。
さらに同法案の内容については、(1)1990年に比べ、CO2排出量を2020年までに26%削減、全ての温室効果ガスの排出量を2050年までに80%削減する、(2)英国の5年間のCO2排出量を3期にわたって設定する、(3)政府に対して独立した専門的顧問機関として気候変動委員会を創設する――などを説明した。
ヒアリング後、質疑応答がなされ、CO2排出削減への対応としてバイオ燃料にはできる限り食料に影響を与えないものを活用する方針や、自然エネルギーを活用した新たな産業の分野を確立し、雇用を生み出すこと、国民や企業の理解の下、強い信念でCO2の削減を国家プロジェクトとして作っていくことなど活発な意見交換が行われた。
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