菅直人代表代行は27日午後、党本部での記者会見の中で、政府・与党が第2次補正予算案の提出を見送る中、民主党として、経済対策、景気対策をとりまとめる方針を明かした。
冒頭、26日夜に発生したインド西部の中心都市ムンバイ中心部で発生した同時多発テロ事件に関して、日本人1人男性1人を含む亡くなられた方に対してご冥福を祈るとともに、怪我を負われた方の一日も早い回復を祈るとお見舞いの言葉を述べた。そのうえで、「テロという行動が許されないことは言うまでもない」と強い憤りを表明、それぞれの国においてテロ防止に向けた努力が必要であるとした。
次に、20日の経済財政諮問会議で高齢者の医療費増大に関連して「たらたら飲んで、食べて、何もしない人の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」などとした麻生首相の発言に言及。改めて発言の中身を確認した菅代表代行は、「社会保険制度の原理を全く理解していない人であることにびっくりしている」との所感を述べた。
社会保険制度について菅代表代行は本来、健康な人は自らの健康に感謝しながら病気の人の役に立つ、財政負担をお互いにしあうことを喜ぶべきものであると説明。そのような気持ちがかけらもない麻生首相には、「日本の、特に社会保険制度を任せるわけにはいかない。総理としての資格を有していない人と言わざるを得ない」と痛烈に批判した。
菅代表代行はこれに関連して、麻生首相に対して最近、怒りよりも恥ずかしいとう言葉がよく聞かれると紹介。国民が自国の首相に対して恥ずかしいと思わざるを得ない状態になっていることの深刻さを指摘し、「自ら身を処することを考えるべきではないかと改めて感じる」と語った。
また、追加の景気対策の裏づけとなる第2次補正予算案の提出の見送りを政府・与党が決定したことに言及。麻生首相が10月30日の時点では、第1次補正予算案が通過した際に、「年末が心配である」ことを含めスピーディーに緊急の景気対策、経済対策の必要性を主張しておきながら、「年末は第1次補正でいい。第2次補正は来年の通常国会に提出すればいい」と方針転換したことを問題視、年末に一番心配なのは、中小企業の倒産やリストラによる雇用不安であるとして、この点に関して民主党として対策を打ち出す方針を示した。
菅代表代行は「残念ながら野党には予算案を提出する権限は与えられていないが」と前置きしたうえで、具体的には、雇用対策・中小企業の金融対策などを中心に、必要な経済対策、景気対策を緊急にまとめ、国会が延長された場合には第2次補正予算案に替わって議論できるよう、景気対策、経済対策、雇用対策の法案を提出する準備を進めていると説明。雇用問題に関しては特に、非正規雇用プロジェクトチーム(PT)もスタートしたとして、年末にかけて最重要課題として取り組んでいくと表明した。
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