菅直人代表代行は1日夜、都内で開かれた「緊急雇用・生活対策要求連合12.1集会〜今こそ政策と政治の転換を〜」に出席。政府・与党が緊急経済対策の裏づけとなる第2次補正予算案の提出を見送る中、民主党として全力を挙げて緊急経済対策、雇用対策に取り組む決意を表明した。
集会ではまず、主催者を代表して高木剛・連合会長が挨拶。サブプライムローン問題に端を発した世界的金融危機が、各国で実体経済にも影響を及ぼし、日に日に深刻具合が高まっているとの認識を示した。連合の責任者会議においても、全国的に雇用状況が急速に悪化の方向をたどっていることを確認したと紹介。
それにもかかわらず、経済対策に万全を期すとしながら第2次補正予算案の提出を見送った麻生首相に対し、「国民をバカにした話はない。全国津々浦々から怒りが湧き上がっている」と、批判した。そのうえで、この1〜2カ月間、どのような状況に留められるかが正念場であるとして、これ以上悪化させないためできることを全てやるとの思いで取り組むと決意を表明、「一緒にこの状況を打開していこう」と呼びかけた。
続いて、民主党を代表して菅代表代行が挨拶に立ち、「12月1日、本来なら(衆議院選挙の)投開票の翌日であり、新たな政権をつくるという段階になっていたのではないか」と切り出し、「選挙より政策」と言って解散を先送りしながら、国民に対する約束である雇用問題を含めた緊急経済対策すらも先送りした麻生首相の言動、姿勢の矛盾を改めて指摘。このままでは年末年始が越せるかという大変な状況が生まれているとして、更なる経済対策の必要性を強調、民主党として緊急の対策本部を立ち上げる方針を明かした。
具体的には短・中・長期の対策が必要であるとして、短期的には年末年始、特に非正規雇用の労働者が労働契約の打ち切り等により大量発生することが確実な失業者対策、中期的には労働者派遣法の抜本改正への取り組み、長期的には内需の拡大、雇用の拡大、特に財政の在り方を見直し、医療、福祉分野に手厚く充てる雇用の仕組みづくり、をそれぞれ目指すと表明した。
さらに、「良いものをより安く提供すること」、「株価を上げること」は悪いことではないが、そのために雇用を正規から不正規へ、あるいはリストラして海外へ雇用が流出したとすれば「資本主義の暴走、金融構造の暴走である」と述べ、資本主義の根本的な見直しも必要であると主張。国民の生活と共存する資本主義のあり方を改めて見出すべきとして、全力を挙げて取り組むことを約束すると語った。
なお、集会には、川端達夫副代表、小宮山洋子『次の内閣』ネクスト文部科学大臣、内藤正光ネクスト総務副大臣、相原久美子、川合孝典、武内則男、辻泰弘、那谷屋正義、吉川沙織各参議院議員が出席した。
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