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2008/12/04
有期労働契約の安易な中途解除は許されない(コメント)
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民 主 党
非正規雇用対策PT座長 細川律夫

 期間の定めのある労働契約(以下、有期労働契約)について、労働契約法第17条1 項は、「使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がある場合でなければ、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができない。」としており、この「やむを得ない事由」が存在することについての証明責任は契約解除をする側である使用者が負うこととなっている。使用者が契約期間途中で契約解除(解雇)をする場合には、使用者がやむを得ない事由の存在することを主張立証しなければならないことが民主党の修正により明確になったのである。

 ところが、報道によれば「今年10月に来年4月までの契約更新をしたにもかかわらず、11月半ばに、12月末で解雇という通告があった」といったケースがあるという。厚生労働省が11月28日に発表した「非正規労働者の雇止め等の状況について」においても、47都道府県で477件、30067人が期間満了や中途解除、解雇等の対象となっている。企業に対する聞き取り等による調査とはいえ、多くの労働者が契約の途中で解雇されていると推測される。もし残りの契約期間の賃金の支払が保障されなければ、労働契約法17条の趣旨に反するものであり、許容できない。

 無期労働契約と有期労働契約とではその性格が異なる。そもそも有期労働契約は契約期間について労使双方が納得して決めたものであり、契約当事者双方が拘束され、その遵守が強く要請される。労働者側が契約期間中の雇用保障を期待するのは当然のことである。労働契約法上も契約期間中の中途解除(解雇)が「やむを得ない事由」と認められる場合については、解雇権濫用法理における「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合」以外の場合よりも狭く限定的であると解されている。ケースバイケースといっても、発注先や派遣先からの契約が中途解除されたという理由だけで、「やむを得ない事由」があると自動的に認められるものではない。

 労使ともどもこの労働契約法の趣旨をしっかりとご理解いただき、契約期間中の解雇といった場面に置かれた労働者の皆さんにおかれては、決して泣き寝入りをすることなく、事業主に「やむを得ない事由」について質し、納得がいかなければ法的手段も辞さず、残りの契約期間の賃金支払も含め毅然たる態度で臨んでいただきたい。この冬の雇用失業情勢は格段に厳しい。政府においても、労働局やハローワークでの相談機能や情報提供の充実を含め、一層の努力と奮闘を要請したい。

以上

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