原口一博議員は5日午後、衆議院予算委員会で経済、年金、郵政事業などについて質問した。
冒頭、90年代の金融危機と言われた時期に学んだことが、本当に正しかったのかの反省があるとして債権譲渡の問題に言及。日本の屋台骨を支える中小企業が、自らの合意や同意無しに金融機関から債権を譲渡された業者から、債権を取り立てると言われて「生きたまま裸に」されている状況があることを問題視した。
その上で、金融不安の質が変わっている時にやるべきことは、単なる公的資金の注入ではないと指摘。日銀の山口副総裁に2日の政策決定会合の決定内容について質問し、景況感の悪化を示す日銀短観DIも引いて、天下りした人がトップをつとめる金融機関に資本注入をして責任は問わないままにして、中小企業にお金が回るかを議論する必要があると強調。
「元本確定する」「経営陣を入れる」などと言われれば、日本の中小企業は本業どころではないと主張、債務者を単なる取り立て対象とするような金融行政をやめるよう強く訴えた。優越的な地位で債権が売り渡されている現実を変えるには法改正が必要だとして、サービサー法の改正も含めて『次の内閣』で議論している民主党の状況を報告。首相は、金融機関が債権譲渡を行うにあたり債務者の納得と理解を得るための説明に努めることは重要な指摘だとした。
郵政関係については、郵政グループの株式の売却をめぐる首相の発言や郵政グループの業績、JR貨物梅田駅で郵便物が2カ月放置された問題などを取り上げた。原口議員は、民主党や国民新党が株式の凍結や事業の一体的な提供を求める理由について「分社化ありきの民営化では、ビジネスモデルとして成り立たない。持続可能性があるとは思えない」と説明、中期計画を示すよう求めた。
日本郵政の西川社長は「こういう事故が発生したことは誠に遺憾」として、事故原因を分析し早急に再発防止策を検討する旨答弁した。中期計画については、本来は中間期の決算発表時の発表を予定していたが金融情勢の急変に伴う実体経済の急激な悪化で見直しを要する点がたくさん出てきたため、もうしばらく検討を進めたいと語った。原口議員は「国民に対する説明責任も、民営化で後ろに下がった」と指摘、分社化ありきの民営化は見直しの時期にあるとした。
原口議員はこのほか、年金問題に関してサンプル調査の実施による全体像の把握を求め、鉄道・運輸機構が発表した「株式会社麻生」が販売した九州新幹線などの橋げた部品の施工箇所の点検調査について質問した。
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