トップ > ニュース
ニュース
ニュース
2006/05/25
【参院行革特】若林議員が最後の質問、広田議員が反対討論
記事を印刷する





参議院の行政改革に関する特別委員会で、25日、締めくくり総括質疑が行われ、岡崎トミ子議員に続いて、民主党・緑風会の最後の質問に若林秀樹議員が立ち、行政改革の目的などを質した。

 質疑終了後、討論・採決が行われ、反対討論には広田一議員が立った。「簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関するする法律案」は与党の賛成多数で可決された。

 若林議員は、まず、小泉政権の5年間を総括し、景気回復と言われているが、「国民にはその実感はない」としてどう認識しているかを首相に質した。景気は回復軌道に乗っているがデフレ脱却には至っていないとの認識を首相は示したが、国民の実感については全く答えなかった。

 若林議員は、国民の実感とのギャップが行政改革を進めるうえでも問題だとし、「行政改革の目標は何か」と基本を質した。首相は「国民生活を全体として豊かにすること」と答えた。

 若林議員はその基本には違いないが、そのためには、行政改革を通じて、信頼される政府にならなければならないとして、談合防止、天下り禁止が必要ではないかとして、「談合防止法が提出されているが、いまだに審議されていない。この国会で通す決意を」と首相に迫った。首相は「国会運営に口は出さないが、成立させるために法案を出している」と無責任に答えた。

 また、若林議員は行政改革として予算を削るばかりでなく、教育関係の予算は未来への投資として、家庭の負担を軽減するために増やすよう求めた。首相は「家庭が費用を出せないために学校にいけないようにはなっていない」と現状を全く無視した答弁に終始。小坂文部科学大臣は「負担軽減に取り組んでいる」と答えた。

 次に、不祥事が続いている社会保険庁の問題を若林議員は取り上げ、解体し、歳入庁にすべきではないか、年金に対する信頼回復を求めた。首相は「(歳入庁設置は)将来検討すべき課題とは認めるが、20年度の社会保険庁廃止をみたうえでいいのではないか」と答えた。

 若林議員は、また、天下りの一例として、国立病院の民間移譲を取り上げ、まず民間移譲の実態を質した。川崎厚生労働大臣は「18年3月現在で70箇所」と答え、無償、9割引など条件によると答えた。若林議員はこの件に関して、厚生労働省と文部科学省に天下りはないのかと質したところ、ないとの回答を得たことを明らかにした。そのうえで、独自調査により、国際医療福祉病院だけで厚生労働省から7人、文部科学省から2人が事務次官経験者を含めて天下っていることを示し、見解を質した。

 首相は「(若林議員の)話を聞く限り適切ではない。よく事実を把握し、適切でない点は正していかなければならない」と答え、川崎厚生労働大臣も「調べてみる。透明な方法でやらなければならない」と調査を約束した。若林議員は「疑義をもたれないように。公務員の早期勧奨退職制度を廃止する」などの抜本対策を求め、質問を終えた。

 広田議員は討論で「『行政改革』は私の郷土の偉人坂本竜馬が言ったように『ニッポンを今一度洗濯する』覚悟で取り組まなければ」ならないとし、「政府案は単なる『削減数値目標ありき』であり、公正で国民に安心・安全な社会を提供するこれからの公共サービスの方向性を示していない」と批判した。その上で、「徹底した地方分権なくして真の行政改革はなしえない」と訴え討論を終えた。

記事を印刷する
▲このページのトップへ
Copyright(C)2024 The Democratic Party of Japan. All Rights reserved.