那谷屋正義議員は、10日午後の参院予算委員会の集中審議で質問に立ち、定額給付金に使おうとしている2兆円があれば、学校耐震化の費用となる7000億円から8000億円が十分に賄え、おつりがくると主張、定額給付金は止めるべきだとした。麻生首相は、耐震化は十分検討としたいと答えた。
那谷屋議員は冒頭、河村官房長官の事務所費問題に触れ、公表、国民に説明するとしながら何ら進展しない現状について「早2か月。何の音沙汰もない」と指摘し、説明を求めた。官房長官は、公表の準備はできているとしたが、委員会の決定に従うとして自ら進んでの公表は拒否。この問題は理事会で協議されることとなった。
次に、鴻池官房副長官の「前中山国土交通相の日教組に対する発言は正しい。文部科学省はいらない」との発言をどう思うかと首相に質した。首相は、河村官房長官に発言の真意を確認させ、「中山発言を容認したものでないとのことだった」との事実のみを答弁、自らの考えは明らかにしなかった。
また、那谷屋議員は失業が拡大しつつあるとして、民主党の緊急雇用対策の一部を紹介、特に雇用保険の国庫負担に関して、4分の1にすべきだと主張した。舛添厚生労働相は「現在の13.75%をすぐに4分の1とするのは無理だが、国家が関与して雇用を守ることは堅持したい」と答えた。
さらに、内定取り消しなどへの対応への首相の覚悟を問い質した。首相は、「認識は同じ」と答えたが、覚悟は示さなかった。
また、ノー残業、ワークシェアで失業者を吸収すべきではないかと質した。厚生労働相は、ワークシェアやワークライフバランスの考えは大切と答えた。これに対して那谷屋議員は、「リードするのが大臣の役割」と指摘した。
定額給付金に関して、国民の77%が反対しているとして、「財政非常時のおり、2兆円も使うのなら国民のために他に使うべき」と主張、見解を質した。首相は「(定額給付金は)経済活性化につながる」との強弁を繰り返した。
最後に、那谷屋議員は、「今の政権与党では国民が望む政策は実現不可能」として退陣を求めた。
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